26人が死亡し、1人が行方不明になっている熱海市伊豆山の大規模な土石流から11月3日、発生から4カ月が経った。立ち入り禁止になっている警戒地区では、この日も県警機動隊員の捜索が続き、行方が分からない太田和子さんを懸命にさがし求めた。
岸谷地区にあった太田和子さんの自宅近くの高台では、遺族と被災者でつくる「被害者の会」のメンバー5人が集まり、消防に最初の通報があった午前10時半ごろに合わせて1日も早い発見を祈った後、犠牲者に黙とうをささげた。
同会副会長で、太田和子さんの家の近くの自宅が全壊する被害を受けた太田滋さん(65)=現在は湯河原町の応急仮設住宅に転居=は「まだ見つからない太田和子さんが、早くご家族のところに戻ってもらいたいというのを第一に考えて黙とうをささげた。和子さんが流されたのは午前11時ごろだと思うが、第一波が流れて来て、上のところで止まっていたのが同10時半ごろ。20分から30分ほど時間があったのに、何も知らせがなく、一緒に避難しましょうと声をかける間もなかった。ご覧のように土石流の奔流が流れた所は何も残っていない。なぜこんなことになってしまったのか」と悔しさをにじませた。
伊豆山地区沿岸部の国道135号「逢初(あいぞめ)橋」付近でも、被災者などでつくるボランティア団体「テンカラセン」(高橋一美代表)のメンバー5人が集まり、川の上流部から流れ下った土砂で一時寸断された国道135号線沿いに献花台を設けた。地域住民らが線香や花を手向け、犠牲者に手を合わせた。
(熱海ネット新聞)
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