任期満了に伴う熱海市長選(9月4日告示、11日投開票)に立候補の準備を進めていた熱海市議の泉明寺みずほ氏(51)が7月19日、今宮神社で記者会見を開き、無所属で出馬することを正式に表明した。自民党などの政党の推薦も受けない。
「熱海市にとって最大の課題は土石流災害に関すること。復興には被災者との話し合いが大切だが、現職は部下に任せっぱなしで市民との対話が欠け、思いが乖離している。熱海人気を回復させた功績は評価するが、今は市長の交代が必要。やむにやまれぬ思いで決断した。言葉を変えれば、日本人の生き方、やまとだましい。まちのトップが交代するときにまちの飛躍がある」と話した。
「27人の尊い命が失われたこの災害は、現市長が就任して16年間に起きた事件、責任は回避はできない」と指摘。市長の多選自粛条例を制定し、自身が当選しても最長2期8年で退任。新しい人にバトンを渡す考えを示した。
政策では、人口減少、子育て支援など8つの公約を掲げ、市民と市議会、市当局が協働で行う「市民参加型政策会議」を提唱。現市長が就任後、総人口(今年6月末現在3万4853人)がおよそ6千人減少し、出生数も年間208人から85人に減少したことに警鐘を鳴らし、市役所管理職への女性の積極登用や教育・子育て施策の充実、DMO機能を活用した観光業支援などを訴えた。
泉明寺氏は函南町出身で、国学院大学大学院修了。熱海市の今宮神社宮司。2015年の市議選で初当選し、現在2期目。副議長などを歴任した。女性の熱海市長選挑戦は、医師で女性初の熱海市議だった竹内静香氏(1990年、94年)以来となる。
次期市長選で4期目の齋藤栄市長(59)は態度を明らかにしていないが、週明けの29日にも5期目の出馬表明の準備を進めている。他に立候補の動きはなく、一騎討ちが濃厚となった。
また、泉明寺氏の市長選出馬に伴う市議1枠について、同氏は辞職せず、立候補とともに自動失職する意向を示した。これにより、市長選と同じ日程で行なわれる市議補欠選は欠員1(死去した山田治雄市議分)で実施される。
(熱海ネット新聞)
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