
任期満了に伴う熱海市議選(4月16日告示、23日投開票)に出馬を予定している無所属で現職の村山憲三氏(77)の後援会事務所開きが3月25日、市内中央町の同事務所であった。
来宮神社の雨宮盛克宮司の神事に続いて、齋藤栄市長、市長の後援会長・富岡篤美氏、咲見町町内会役員、熱海出身の元S級競輪選手・守屋利治氏らが玉串を捧げ、必勝を祈願した。
6期目を目指す村山氏は、市民の要望が抜きん出て多い「市民ホール建設実現」の「ワンフレーズ」で選挙戦を戦う。小泉純一郎元首相が得意とした手法で他候補との差別化を図り、有権者にアピールする。
「大事なのは短く、分かりやすく言うことだ。私が訴える政策は多目的市民ホール建設一本。ブルネイからの投資を呼び込んで実現する。熱海を活性化するには駅前商店街ばかりでなく、市中心部の中央町、清水町に人を呼び込む必要がある。そのランドマークにする」と強く訴えた。
熱海市では、2011年に旧観光会館が老朽化で閉鎖され、14年に多目的市民ホールと図書館の建設(熱海フォーラム)を視野に、旧熱海岡ホテル跡地を3億7500万円で取得した。しかし、図書館の運営法や東京五輪・パラリンピックによる建設資材の高騰などで、五輪後に建設を先送りした。
そこに予期せぬ新型コロナウイルス感染症の拡大と伊豆山土石流災害があり、とん挫。遺族や被災者からの損害賠償請求訴訟や伊豆山地区の復旧工事で市の財政は疲弊し、建設の目処は全く立っていない。
観客席500席程度の市民ホールを中心とした熱海フォーラム計画には約30億円かかり、今の状況では整備は難しい。そこで村山氏は、東京五輪で熱海市とホストタウン契約を結んだ世界有数の富裕国・ブルネイからの友好的投資に期待。話し合いは順調に進んでいる。
ブルネイ国は、熱海市を起点に日本からの誘客や日本の事業者とタイアップした海外事業展開を検討している。今年1月には市幹部と市議の代表者4人がブルネイ国にダトウ・マナフ産業第一次資源観光大臣を表敬訪問し、熱海市と多方面で関係を強化することを確認した。
「市民ホールの復活は、高齢者の外出支援につながり、商店の売り上げ拡大にも寄与する。外資を呼び込んで建設すれば、市の負担が軽減できる。熱海フォーラムの実行推進は、私の議員生活の集大成と考えている」
齋藤市長も、自身の公約に掲げ、市民から要望が続く熱海フォーラムの実現に強い意欲を示す。この日も雨の中、村山氏の激励に訪れ、マイクを握った。
「議員15人の中で県外、東京、海外にもっとも幅広い人脈を持つのが村山さん。ブルネイ国と熱海の交流のきっかけもそうです。私も20年2月に訪れたが、ブルネイは小国でありながら、石油、天然ガスを産出する大変大金持ちの国。現在、2つの旅行関係の会社が熱海にきて、情報を発信している。熱海を前に進めるには、必要な議員」と話し、政治手腕を高く評価した。
平石啓三郎会長は「この4年間、村山憲三はブルネイとの交流促進に努めてきた。市民ホール建設にブルネイの資本を呼び込むだけでなく、ブルネイを橋頭堡にドバイやアブダビ(UAE)の富裕層を誘客するインバウンドにも取り組んでいる。この努力が花開く時が来た。全力で議会に送り出そう」と支援の拡大を訴えた。
(熱海ネット新聞)
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