
国の文化審議会(宮田亮平会長)は11日、熱海市春日町の別荘「東山荘(とうざんそう)」など、新たに199件の建築物を国登録の文化財に登録するよう馳浩文部科学相に答申した。近日中に官報で告示する。市の国登録文化財は、観魚洞隧道(かんぎょどうずいどう)、平井家住宅主屋(ひらいけじゅうたくおもや)、旧南葵(なんき)文庫に続く4件目。
相模湾を望む高低差のある敷地に建つ東山荘は昭和8年に第一銀行頭取だった石井健吾氏が「清水組」(清水建設)に依頼して別荘用に建設した。登録されたのは本館のほか、離れ、別館、茶室、蔵、物置、正門の7棟。本館は全体に木柄が多く、数寄屋を加味した繊細な意匠を基調とし、東面は大きなガラス窓を立て、解放感をもたらせている。
昭和14年に山下汽船(三井商船)初代社長の山下亀三郎が譲り受け、別館などを増築。さらに昭和19年に岡田茂吉氏が取得して蔵を建てた。離れや別館、茶室はそれぞれ異なった趣向の数寄屋風意匠を凝らした建物群となっている。現在は、宗教法人・世界救世教が所有し、研修用などに使っている。近くに旧日向邸がある。
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