MOA美術館が約11カ月にわたる大規模改修を終え、2月5日に開館する。再オープンに先立ち3日、報道陣向けの内覧会があり、見学してきた。展示スペースには屋久杉、行者杉、黒漆喰(しっくい)、畳など日本の伝統素材を使用。基本設計を担当した現代美術家・杉本博司氏(68)が「MOA美術館は室町時代からの作品がたくさん収蔵されている。最高のテクノロジーで自然光に近い状態で展示し、足利義政が銀閣寺で見た光を再現した」と話すように、伝統的な漆塗のわざが桃山文化に誘ってくれる。
同館の代表的な所蔵品である国宝「紅白梅図屏風(びょうぶ)」(尾形光琳作)は畳敷きの展示ケースに飾られ、国宝「色絵藤花文茶壺(いろえふじはなもんちゃつぼ)」(野々村仁清作)は、黒漆喰の壁に囲まれた特別室に置かれた。
メーンエントランスの高さ4メートル、横1・2メートルの扉は、人間国宝の漆芸家室瀬和美さんによる漆塗の自動ドア。仏料理主体のレストランやカフェも新設。楽しみがまた一つ増えた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
◆リニューアル記念名品展 国宝3点を含めた約100点の所蔵名品展と世界的な現代美術作家・杉本博司氏の個展「海景-ATAMI」を開催。3月14日まで。問い合わせは同美術館☎0557-84-2511へ。
国宝「紅白梅図屏風」
国宝「色絵藤花文茶壺」
重文「洋人奏楽図屏風」
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