熱海市と函南町にまたがる十国峠峠ケーブルカー頂上の十国峠レストハウスで3月5日、十国峠の文化財指定1周年に伴う記念碑除幕式があった。昨年3月1日付官報で、十国峠(日金山)が国指定史跡となったことを永年に渡り伝えていくため、ケーブルカーを運行する伊豆箱根鉄道(若林久社長)が記念碑を建立し、文化庁から授与されたプレートを取り付けた。
除幕式典には、斉藤栄熱海市長、森延彦函南町長、杉山利勝熱海市議会議長、熱海・函南広域行政推進協議会の米山秀夫、泉明寺みずほ熱海市議、函南町議らが列席。熱海高の吹奏楽部とエイサー部がコラボで演奏・演舞を披露し、式典を盛り上げた。
両市町にまたがる標高約770メートルの十国峠(日金山)は、古くから信仰の地で、中世以降は「伊豆山権現(いずさんごんげん)」と「箱根権現」を結ぶ二所詣(にしょもうで)の道として知られた。江戸時代後期に葛飾北斎や中山高揚らによって富士山や十国五島を見渡す展望地として絵画に描かれ、明治以降も太宰治の「富嶽百景」など多くの文学作品に登場する。
◆十国峠 昔の国名で「伊豆」「駿河」「遠江」「甲斐」「信濃」「相模」「武蔵」「上総」「下総」「安房」の十の国がここから見渡せたことに由来。現在の静岡県・山梨県・長野県・神奈川県・東京都・千葉県。晴れ渡った日には富士山や南アルプス、駿河湾はもとより湘南海岸や三浦半島、横浜、東京まで一望できる。
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