熱海市に春本番を告げる伊豆山神社例大祭の本祭が4月15日、同神社で斎行された。例大祭神事は午前10時から本殿であり、静岡県神社庁副庁長で伊古奈比咩命神社(いこなひめのみことじんじゃ=下田・白浜神社)の原嘉孝宮司が神社本庁から伊豆山神社の例大祭に捧げられた幣帛料(へいはくりょう)を供進する使者を、中田雅三氏が氏子幣帛使を務め、原口尚文宮司が拝殿に備えて熱海の繁栄と恒久の平和を祈願した。
神事では原口宮司の祝詞奏上に続き、神女舞と実朝の舞を奉納。大舘節生総代会長、当番町総代の高橋和幸代表、齊藤栄市長、渡辺周衆院議員、杉山利勝市議会議長。雨宮盛克来宮神社宮司、泉明寺みずほ今宮神社宮司らが玉串を捧げた。
原口宮司が「例大祭をこれだけの満開で迎えたのは記憶にない」と話すように、例年より桜の開花が2週間遅れたことで、歴史的な本祭となった。
呼び物の「神輿(みこし)下り」は、神幸祭のなかの発輿祭に続いて始まった。獅子を先導に地元の仲道、浜(当番町=本殿神輿)、岸谷の順で烏帽子、白装束姿の氏子が担ぐ3基の御輿の神幸行列が出発。その後に深い緑色の装束をまとった厄年奉賛会「卯桜翠辰會(うおうすいしんかい)」(松本早人会長)の神輿が続いた。
それぞれの神輿は足元を確かめるように慎重にゆっくりと、かつ「ワッショイ、ワッショイ」と威勢の良い掛け声を上げながら、海岸近くの下宮(しもみや)までの全837段のうち、664の石段を勇壮に下り、集まった市民や観光客を沸かせた。
午後2時から下宮祭、特設舞台で伝統の舞
837階段の664段まで下った広場で下宮祭が斎行された。特設舞台で氏子の小中学生たちが伝統の「神子舞」と「実朝の舞」を奉納した。大勢の市民や観光客が訪れ、家内安全や国の繁栄を祈願。その後、神社に戻り、還御祭が厳かに執り行われた。
◇「神子」舞奉仕者 千葉心花(伊豆山小2年)、小澤星汀、高橋真麻、八木蓮華(ともに同小1年)
◇「実朝の舞」奉仕者 豊嶋望生(熱海中2年)、當摩由奈、坂本紗花、中田百美、和田愛海(ともに熱海中2年)
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