1月26日の文化財防火デーを前に25日、熱海市泉の曹洞宗の古刹「保善院」(西有善裕住職)で静岡県熱海市消防本部と神奈川県湯河原町消防本部が連携して訓練を行った。訓練は、寺の本殿から火が出たことを想定して行い、保善院関係者が初期消火と避難誘導を実施。119番通報で駆け付けた湯河原町消防隊が放水による消火活動をしながら、熱海市消防隊が駆けつけるのを待ち、合同で一斉放水して延焼を防いだ。西有優貴副住職が市指定の銅造延命地蔵菩薩像を火が届かないところまで搬出し、消防隊員がけが人を搬送した。
立地的に湯河原町に近い熱海市泉地区は、市外局番が湯河原町と同じ「0465」のため、119番通報すると、湯河原町消防本部につながるシステム。両市町は消防相互連携を締結しており、有事の際には協力して消火にあたったり、救助活動を行ったする。訓練には熱海市消防本部(オレンジのライン)から13人、消防車4台、湯河原町消防本部(イエローのライン)から6人、消防車両1台が参加して有事に備えた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■西有善裕住職 寺の檀家も熱海市泉と湯河原町におり、県境の泉地区は連携を図る必要がある。両市町の消防本部から火災を想定した対策の手順を確認でき、文化財や貴重品を持ち出す流れも確認できた。
■保善院(ほぜんいん) 曹洞宗の古刹。正式名は肥田山笹子寺保善院。泉地区を代表する寺で熱海市泉および湯河原町に末寺を7つ持つ。静岡県指定文化財の梵鐘(嘉吉3年銘)、熱海市指定の銅造延命地蔵菩薩像(南北朝時代)を所有する。
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