
東北楽天イーグルスの星野仙一監督が26日夜、西武ドームの宙に舞った。九回から満を持してエース田中将大投手を起用、マー君は期待にきっちりこたえ、無失点の力投を見せて胴上げ投手に輝いた。テレビ観戦していた初川沿いのルージュでは歓声が上がった。
これで楽天は球団創設以来、9シーズン目で初優勝。星野監督は中日、阪神に続いて3球団目のリーグ優勝を果たし、屈指の名将の座を射止めたが、特筆すべきは、星野マジックだ。なかでも「人たらし術」は真骨頂、かくいう僕自身も「仙一教」に染められたの一人で、今でも頭が上がらない。
ドラゴンズ系列の新聞社のデスクをしていたころ、担当記者に代わってもらい、福島の試合を取材に行ったことがある。
試合前のベンチにあいさつに伺うと、「おや、珍しいな」。「実は故郷なんですよ」と答えると、ナイター終了後に星野氏から電話がかかってきた。
「試合で負けてむしゃくしゃしている。どこか飲みにつれていけ」と。馴染みの店に案内すると豪華なボトルをキープしてくれ、「この男を宜しくお願いします」とお店の人たちと握手。30分もすると「次行くぞ」といってまたボトル、そして「この男を…」の繰り返しで、3時間で6軒ほど回った。
突然の星野監督の出現にお店はどこも大喜びだし、小生の株は上がった。
この間、星野氏はウーロン茶だけで、飲むのはコーチ連中と僕だけ。傍らの福田功チームマネジャーによれば、「星野監督が遠征先で外出するのは滅多になく、今年は初めて」とのこと。今でも頭が上がらないのはそのためである。
ところで、星野氏のDNAを受け継ぐ人物が熱海出身のプロ野球選手にもいる。
中日ドラゴンズの高橋三千丈2軍監督。星野氏の明大、ドラゴンズの直系の後輩だ。いまその高橋氏が急速に注目を集めている。
クライマックス・シリーズの出場を逃した中日は、高木守道監督が辞意を表明。後任監督はスポーツ紙の報道では立浪和義氏が有力。前監督の落合博満氏も浮上している。たしかに営業的には両氏なのだろうが、同時に親会社の中日新聞サイドから漏れ伝わってきたのは、井上一樹打撃コーチと高橋2軍監督の名前―。
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