【文化】下多賀の「江戸城石垣石丁場跡」、国の史跡指定に

国の文化審議会(宮田亮平会長)は20日、徳川家康の命による江戸城改修の際に石垣用の石材を切り出した「江戸城石垣石丁場跡」(熱海市・伊東市)を国指定の史跡記念物に登録するよう馳浩文部科学相に答申した。国史跡は1759件になる。史跡指定の対象は、第二次世界大戦終結頃までの政治、経済、文化、社会等あらゆる分野における重要な遺跡が対象となっている。
また、国の登録記念物(公園、庭園その他の名勝地)に、伊豆山権現(いずさんごんげん)と箱根権現を結ぶ二所詣(にしょもうで)の道として知られる「十国峠」(熱海市・函南町)を答申した。

◆江戸城石垣石丁場跡
徳川家康の命による江戸城改修の際に、石垣用の石材を切り出した採石作業場の遺跡。同様の作業場は熱海市下多賀、伊東市宇佐美、神奈川県小田原市など約170カ所確認されているが、30カ所ある熱海市の中張窪石丁場(ちゅうばりくぼ・せいきょうば)が、採石から搬出までの工程を把握できるほど保存状況が良好な点が評価された。
大名や年代が克明に刻印された「標識石」が確認され、労働力の編成や諸大名の実態が分かる。江戸に近く海上運搬が可能だったこともあり、伊豆半島産出の硬質な安山岩が多用された。
写真=田畑みなお氏撮影(写真提供=熱海市教育委員会)

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◆十国峠(日金山)
熱海市と函南町にまたがる標高約770メートルの十国峠。古くから信仰の地で、中世以降は「伊豆山権現(いずさんごんげん)」と「箱根権現」を結ぶ二所詣(にしょもうで)の道として知られた。江戸時代後期に葛飾北斎や中山高揚らによって富士山や十国五島を見渡す展望地として絵画に描かれ、明治以降も太宰治の「富嶽百景」など多くの文学作品に登場する。

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