
◇ヤマハレディースオープン葛城最終日(5日・静岡葛城GC山名=6568ヤード、パー72)
首位に5打差の4位からスタートした渡辺彩香(21)=ユピテル=が雨の中、7バーディ、2ボギーの67を出し、通算7アンダーで逆転で今季初優勝を飾った。昨年3月のアクサ・レディース以来の通算2勝目で、賞金1800万円を獲得した。
2打差の2位は前田陽子とイ・ボミ(韓国)。前日まで首位の藤本麻子は76と崩れ、通算3アンダーの4位に終わった。
◆渡辺彩香(わたなべ・あやか)1993年9月19日、熱海市生まれ。21歳。小4でゴルフを始め、2008年日本ジュニア優勝。埼玉栄高で10年関東高校選手権優勝。12年7月にプロ合格し、14年アクサレディスで初優勝。172センチ、65キロ。家族は両親と妹。生涯獲得賞金は1億1288万2010円。
今季初Vは、地元・静岡での優勝という二重の喜びとなった。飛距離は最大のアドバンテージ。そして、Vを引き寄せるパワーとなるのは闘争心だ。優勝がほぼ決まった、17番のティーグラウンド。前田のティーショットがバーディーチャンスにつくと、「狙いはセンターと思ったけど、私も最後まで攻めていく」と自らに活を入れる。最終18番でもバーディーを奪って、堂々の逆転優勝を飾った。
「ありがとうございます」を、2度繰り返した後、「地元の静岡で勝つことが、デビューの時からの目標のひとつ。特に、このコースは、ジュニア時代からお世話になりました。静岡県を盛り上げたい。でも、これまでは気持ちばっかり…。優勝できて、少しは成長したのかな…」と、ビッグスマイルをつくった。
不思議なことに、静岡県出身者が、静岡県開催トーナメントを勝つのは、今回が初めて。”庇を貸して母屋を取られる”ことに、きっと忸怩(じくち)たる思いだったに違いない。もちろん、それだけの準備はきっちりと行ってきた。とりわけ、アプローチは「誤差は、2ヤードまで」。練習場ではコース攻略のために連日、日暮れまで打ち込んだ。
今シーズン、開幕戦からショットの不調で、よもやの3試合連続予選落ちを喫した。それが前週の『アクサレディス宮崎』で解消する。プロアマ戦、同組で回ったLPGA相談役・樋口久子から、アドレスのアドバイスを受け、「自信をもちなさい」と背中を押された。優勝会見では、改めて、「樋口さんのおかげです。いただいたひとことで、(予選落ち)3試合分の不安が吹き飛びました」。
さらに、「4日間大会は、すごく好きです。今回は天気やコース、すべてがタフでした。にもかかわらず、優勝できたのはオフのトレーニングをしっかりとやったから。集中力が途切れなかった。もうひとつ。ドライバーをブンブン振ることしか知らなかった、去年までの自分とは違います」と続けた。渡邉の進化は無限大である。
◇熱海市ゴルフ協会・渡辺修一会長 渡辺彩香プロ逆転優勝おめでとうございました。
文と写真=LPGA
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