【社寺】送り火供養の「ろうそく祭」 小田原攻めの僧兵を供養

熱海市伊豆山の般若院で31日夜、豊臣秀吉に滅ぼされた、伊豆山の僧兵の供養をかねた「伊豆山送り火供養ろうそく祭」があった。僧兵と修験者が薙刀(なぎなた)や槍(やり)の武芸を披露し、斉藤栄市長や杉山利勝議長らがたいまつに点灯し、僧兵の勇敢さをたたえ、供養した。岡本興尚住職によれば、当地には豊臣秀吉の小田原攻め(1590年)の際、北条側に加わったため、焼き打ちされた悲しい歴史があり、戦前までは地元住人が毎年8月31日に送り火供養をし、その際に命を落とした3000人の僧兵や住民と関東大震災の犠牲者を供養してきたという。
「伊豆山をおもしろくする実行委員会」(岡本吉浩実行委員長)が10年前に復活させ、本堂と大師堂を結ぶ道や階段沿いに、以前の送り火に代えて3000本のフローティングキャンドルを並べ、東日本大震災の犠牲者も合わせて供養している。
伊豆山の各町内会も沿道にろうそくを並べ、地区全体が幻想的な光に包まれた。

◆般若院(はんにゃいん) 真言宗の古刹で伊豆山神社(伊豆山権現)の別当坊だった寺院。源頼朝はこの寺で平家討伐の願をかけ、一時住んでいた。山号は「走湯山」。豊臣秀吉の小田原攻めで焼亡したが、その後、徳川家康によって般若院の院号が与えられ、再建。明治の神仏分離によって伊豆山神社内から現在地に移転。大師堂には、弘法大師(空海)が自ら刻んだと伝えられる「大師像」(国重文)が安置されている。
JR熱海駅より東海バス七尾原循環で約6分、「般若院前」バス停下車。

IMG_0911IMG_8451ss3IMG_8482ss槍IMG_8530pss2 (1)IMG_8560ssIMG_8505ss2IMG_8578ssIMG_8593ssIMG_8625ss

IMG_8420ssIMG_8415ss

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2023-6-7

    ジャカランダとブーゲンビリアを教材に市民教室 講師はまち歩きガイドの会

    熱海市は6月6日、観光ボランティア団体「熱海まち歩きガイドの会」を講師に招き、市民教室を開いた。…
  2. 2023-6-6

    暗闇に幻想的な光跡 熱海梅園「ほたる観賞の夕べ」開催中

    熱海市の初夏の風物詩「ほたる観賞の夕べ」(市観光協会主催)開催中の熱海梅園に、幻想的な光を目…
  3. 2023-6-5

    熱海サンビーチの砂浜 黒山のような人だかり、花火見物で

    熱海市の熱海湾で6月4日夜、熱海海上花火大会(市ホテル旅館協同組合連合会主催)が行われた。観衆は70…
  4. 2023-6-4

    熱海市街が爽やかな青紫に ジャカランダ・フェスティバル開幕 

    熱海市のジャカランダ遊歩道で初夏の風物詩「ATAMIジャカランダ・フェスティバル2023」が…
ページ上部へ戻る