
熱海市渚町のリノベーション賃貸物件「nagisArt(ナギサート)」で4月21~23日、市内外の女性5人の芸術家ユニット「R・Decoru(アール・デコル)」が、作品展「マロンヘッドのひみつきち展」(午前10時~午後4時)を開催している。「海辺のあたみマルシェ」に出店していた布・クラフト作家の齋藤千紗さん(40)=熱海市下多賀=、革・布作家の杉山明美さん(46)=同咲見町=、アクセサリー作家のみつやえりこさん(37)=伊東市=が、「リノベーションスクール@熱海」で知り合ったナギサートの大家・吉田奈生さん(37)、WEB・グラフィックデザイナー伊東久見子さん(37)=沼津市=と協同で作品を展示・販売している。
アール(姉)、デコル(妹)と名付けた1階と2階の部屋を使い、斎藤さんがテーブルクロスやクッション、杉山さんが革バッグや小物、みつやさんが耳飾りなどの作品で空間を演出。ナギサートは元スナックだった築50年超のビル。リノベーション完成披露と合わせて作品展を開催し、昭和のスナックをアーティストのアトリエ兼住居などにしてもらおうとアピールしている。
渚地区は近年、空き店舗だった物件をリノベーションし、気鋭の作家の個性的な作品を展示販売する店が増えている。吉野屋商会をリノベーションして生まれた「chause」では、神奈川県の大手メーカー勤務の会社員・伊藤唯さんがアートショップを、函南町の大堂環さんがカフェをコラボして営業。同じ渚町で、相模原市から熱海に移り住んだ浜公洋さんが、陶磁器「茶碗屋こみく」を開き、熱海の観光客増加と相まって隠れた人気。近くの「ぎゃるり鸞布」で不定期的に開催されるちりめん細工教室「はうら」は、芸術の都パリでも評判を呼んでいる。
一時は、旧市街で最も開発が遅れ、空き家率が50%を超えていた渚地区だが、2012年にNPO法人アタミスタ(市来広一郎理事長)が空き店舗を活用したリノベーションまちづくりに着手。2013年にスタートさせた「海辺の熱海マルシェ」に出店した人から、実際にお店を開いたり、仕事場に使ったり、起業したりする人が出てきた。今回の作品展「マロンヘッドのひみつきち展」も首都圏などの20-30代の若者に熱海に興味を持ってもらい、将来的に熱海に住み、起業してもらうのが狙いだ。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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