
7月28日夕方から夜にかけて熱海市を襲った台風12号は、高波や高潮で市内沿岸部に甚大な被害をもたらした。なかでも観光面の被害は深刻。夏休に入り、多くの観光客が海水浴に訪れる中、熱海サンビーチでは遊泳区域をブイで仕切る安全ロープが流され、復旧に1週間ほどかかる見通し。この間、遊泳禁止となり、人気のウォーターパークも利用できなくなる。
首都圏と熱海を結ぶ熱海ビーチライン(観光有料道路)では高波で海側のコンクリートの壁が流され、いくつもの大きな塊が道路をふさいでいる。30日から除去作業に入るが、護岸がないことから安全面が保てず、通行止め。復旧のめどは立っていない。熱海港の防波堤にある海釣り施設も防潮堤やフェンス、電源施設などが破されたり流されたりして使用できない状況。
熱海市は東から西へ進む異例のコースをたどる台風12号を警戒して28日夕、いち早く齊藤栄市長を本部長とする「災害対策本部」を設置。国道135号線下多賀ファミリーマートから中野ガスト間を通行止めにするなどして被害を最小限にとどめたものの、繁忙期の未曽有の災害に危機感を募らせている。
市長は30日に危機管理監をはじめ、各部局から詳しい被害状況を聞き、復旧に全力を挙げるとともに国に災害支援の要望を検討している。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■ムーンテラス 床の表面に張ったタイルが剥がれる。
■第3桟橋 観光遊覧船「サンレモ」の桟橋が崩壊。
■ホテルニューアカオ 建物2階にある海に面したレストランの縦5メートル、横10メートルの窓ガラスが高波で割れ、子ども2人を含む5人が割れたガラスで足を切るなどのけが。
■ホテルリゾーピア熱海 敷地内に海水が流れ込み、窓ガラスが割れたり駐車場の車が山側の壁に乗り上げる。
■ウィスタリアンライフクラブ熱海 海水がホテル内部に流れ込み、停電。
■浄水管理センター 高波などで浄水施設や事務所が入る建物の窓が割れ、壁の一部が壊れる
■初島 食堂街やダイビングセンターが床上浸水。港の防波堤の通路部分の床が亀裂。
熱海ビーチライン
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