【経済】熱海市が公平な耐震診断結果の公表を要望

全国105の温泉都市で作る「温泉所在都市協議会」(会長・浜田博別府市長)の秋季会議が13日、東京・千代田区の日本都市センターであり、別府市や釧路市、熱海市など26の市長や担当者が耐震診断や耐震改修に対する国の補助制度について協議した。
国土交通省住宅局建築物防災対策室の石崎和志室長が「建築物の耐震改修の促進について」と題して講話し、平成25年11月に改正施行された建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正についてあらためて説明。耐震診断や耐震改修に対する国の補助制度の概要や地方公共団体における補助制度、ホテル・病院の耐震改修事例など、最近の動きを紹介した。

質疑では、斉藤栄市長が「耐震診断結果の報告について、期限が平成27年12月とあるが、その後の所管行政庁(都道府県)による公表について、期間や方法を事業者(ホテル・旅館)が心配している。国はどのように考えているのか」と質問した。
これに対し、石崎室長は「公表について、国は期限を設定しない。あくまで、診断結果のとりまとめ状況によって公表するようにお願いしている。公表方法に関してはインターネットなど、ほぼ同じ方法になるのではないかと考えている」と答えた。
この答弁を受けて、斉藤市長は「耐震診断は法律上の義務であり、事業者にしっかりとやってくださいとお願いしているが、都道府県によって公表時期、公表方法が異なると、その差によって不公平が生じてしまう。風評被害が一番怖い。最後は都道府県の判断だと思うが、国にある程度、公表時期、公表方法について不公平のないように指導してもらいたい。我々や事業者の立場からすると全国一律に公表した方がよいという気持ちがある。ぜひ地域や事業者の実情を考慮していただきたい」と訴えた。

◇改修促進法 昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた多数の者が利用する5000平方メートル以上の建物(ホテルや旅館など)に平成27年末までに耐震診断を受けることを義務付け、その結果を公表するという法律。
(本紙注=しかし、診断結果が公表された場合、風評被害が予想されるにのに加え、耐震工事には膨大な費用のかかることから、耐震検査を実施せず、そのまま廃業を考える施設が出てくる事態が懸念されている)
◇未実施の施設 熱海市の耐震診断未実施の施設は8棟あり、そのうちの7棟がホテル・旅館とされる。

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また、役員会も開かれ、国の平成27年度当初予算編成に関連して、国会議員及び関係省庁に提出する「温泉所在都市に対する税財源措置及び施策に関する要望書(案)」を協議し、①ホテル・旅館等の耐震化を推進するため、国の金融支援の充実など財政支援の強化②観光地に放置された建築物等について、立入調査や除却等の指導・助言、勧告が可能となる法整備や、解体に要する費用に対する財政上の措置――など9つの項目を承認した。

要望書は、協議会を代表して浜田会長が国会議員及び関係省庁に提出する。

 

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