
熱海市は28日、市議会総務福祉教育委員会協議会を開き、4月1日に予定されていた岡本ホテル跡地の購入契約を先延ばしすることを正式に決めた。
この日の協議会で斉藤栄市長が同跡地所有者の(株)ひまわりと値引き交渉した結果を報告することになっていたが、金額は明示せず、「最奥部との高低差が約5.9mあり、公簿面積より実測面積が50坪ほど狭まる可能性がある」と新事実を報告した。
市長は今月21日に新潟県湯沢町の同社本社を訪ねた際、新保光栄社長から初めてこの事実を知らされたといい、31日にも地権者立会いの下で実測し、価格を再交渉するという。
しかし、市長が「実測の結果で価格を上下させるつもりはない」と話すのに対し、議会側は「坪40万円、総額3億9000万円で購入を予定していたのなら、50坪狭まれば2000万円値引きできるはず」(米山秀夫議員=写真)と反論。ベースを3億7000万円に下方修正して、さらに値引きを求めていることから、破談になる可能性も浮上してきた。
市長の3億9000万円での4月1日契約に議会が「待った」をかけ、再交渉させたことが「50坪2000万円の上乗せ疑惑」をあぶりだしたことになり、議会のチェック機能が無駄な支出を防ぐ結果となった。
一方、市側は昨年4月18日に売買交渉に着手しながら、この事実を掌握できず、先方の言い値で購入を進めてきたことから失態のそしりは免れず、ひまわり側が「ゼロ回答はしたくないが、大きく下げなくては購入できないのであれば他に売却せざるを得ない」と主張していることもあり、市当局は苦しい対応を迫られた。
熱海市は同ホテル跡地購入費として、平成26年度一般会計予算に3億9000万円を計上していることから、予算の組み直しを求める声も出ている。
(編集主幹・松本洋二)
答弁する斉藤市長
総務福祉教育委員会(3月28日)
傾斜のある岡本ホテル跡地
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