18階高層ホテル「ラビスタ熱海」建設で公聴会 景観か開発巡り論争


熱海市は1月24日、リゾートホテル事業大手の共立メンテナンス(本社・東京都千代田区)が東海岸町の旧熱海グランドホテル跡地に建設を予定している高層ホテル「ラビスタ熱海(仮称)」(18階など13棟、327室)に関する公聴会を市役所で開いた。市まちづくり条例に基づく公聴会開催は2006年以来4回目の開催だが、過去3回はマンションが原因で、ホテルは初めて。

同ホテルは、高さの上限60メートルという市のまちづくり条例を遵守(59・89メートル)して建設を計画しているものの、予定地後背のリゾートマンションの住人らが「終の住処と考え、マンションを購入して熱海に移り住んだのに、眺望が遮られて花火や海などが見えなくなる」などと、地元説明会などで事業者に建築物の規模縮小を求めていた。

そこで市は、景観開発事業に関する意見を公開の場で公述してもらい、それらの意見を事業計画に反映させてもらおうと、市条例に基づいて公聴会(議長・出野武彦市民生活部長)を開催。請求したリゾートマンション住民や管理組合など5件の代表がそれぞれ次のように意見を述べた。

「周辺の道路は非常に狭く、ホテルの宿泊客の車がこの道路に集中する。汐見町通り線や藤沢通り2号線は熱海駅から熱海サンビーチを結ぶ観光客が歩いて散策する道路。安全が保てない」
「低層階の眺望が悪くなる一方で、マンションの温泉施設が容易に見えてしまい、プライバシーを侵害している」
「市の条例では、高さ制限の他に敷地の間口(国道135号線)の3分の1以内のエリアに建物を建てるとあるが、ここは奥が扇型に広がっている。間口の測量の仕方にも疑念がある」
「CGや模型、資料などがなく周辺住民への配慮が足りない」
「C棟はペット同伴とあり、騒音や悪臭を懸念する。宿泊客のマナー向上に努めるだけでなく、具体的な対応策を提示してほしい」
などと各15分意見を述べ、計画建物の規模縮小をあらためて訴えた。

一方、事業者の共立メンテナンスの代理人は「熱海市まちづくり条例等に沿って建物の高さは60メートル以内。建ぺい率なども遵守した上でホテル事業を計画している。低棟と別棟を配置し、分割分棟することによって空地を確保し、敷地背面からも一定の海の眺望を確保している」と説明した上で、
「何十年も利用されなくなった土地を残置し続け、治安、景観その他の面において問題を残すよりも、ホテルが開業することによって人の交流が増え、周辺環境も整備される。まちの活性化にも寄与できるし、熱海の地元商店街および周辺の経済効果につながる」と理解を求めた。


市は2月中に熱海市都市計画審議会(会長・大方潤一郎東京大教授)を開き、5件の申し出を審議して齋藤栄市長に答申し、指導書を交付する。景観か開発か、活況が続く熱海ならではの悩ましい問題ー。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
◼︎ホテル「ラビスタ熱海(仮称)」
敷地面積9550平方メートルの敷地に地上18階、地下3階。13棟で最大高さ59・89メートル、延べ床面積3万4602平方メートル。客室数261室、別に従業員寮66室。着工は3月、完成は2022年12月の予定。計画地は熱海サンビーチ・お宮の松前の国道135号に面した一画。
◼︎公聴会公述者
若林章吾(東海岸町)、鈴木直美代理人・並木幸博(アデニウム熱海濱ノ離宮)、塩谷英一郎(田原本町)、森亜矢(東海岸町)、杉本真由美(同)、共立メンテナンス代理人・佐藤昭彦










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