来宮神社の例大祭(14〜16日)を前に7月2日、本年度御鳳輦(ごほうれん)奉仕を行う厄年奉賛会「跳昇伍團壱會」(としょうごうまるいちかい)」(鈴木宜志会長)は、同神社境内で御鳳輦神輿と牛車を清掃した。メンバー14人が岡田実御鳳輦代表世話人の指導を仰ぎながら御鳳輦を社殿から運び出し、ほこりを落としたり、布で隅々まで磨いたりした後、初めて御鳳輦神輿を担ぎ、神輿渡御の感触を確かめた。
この日は同會が奉納した完成したばかりの「御車(みしゃ)」が披露され、御鳳輦神輿をのせて渡御する練習も行った。今年の御神幸行列では、熱海聚楽ホテル→熱海サンビーチ区間など、一部区間で神輿を担がず、御車にのせて巡行する。
戦後の一時期(昭和30年代)は「牛車」で巡行
背景にあるのが、少子化問題。日本全国で神輿の担ぎ手が不足している実情がある。来宮神社では伝統ある御鳳輦組織が機能し、今のところ、大きな支障はでていないが、将来的にはわからない。そこで同會は今年、氏子総代会や祭典委員会とも相談して、神輿の台車奉納を申し出た。
雨宮盛克宮司によれば、御鳳輦神輿の巡行は代々、42歳の厄年を迎えた男集が力を合わせて担いできたが、戦後の一時期(昭和30年代)においては、戦争の影響でその世代の担ぎ手が足らず、「牛車」を使用したことがあったという。その経験則を踏まえ、「少子化を直視して将来の御神幸行列を考えれば、一部区間に御車を使うのは、時代の流れと考える」と話した。
同會の鈴木宜志会長は「先輩たちが築いてきた伝統ある祭りが、成功裏に終わるよう、最後まで粛々と準備を続けます」と力を込めた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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