MOA美術館は6月27日、同美術館が主催する「第20回岡田茂吉賞」の大賞(副賞200万円)に漆芸の林曉(はやし・さとる)氏(63)=富山大学教授=が決定したと発表した。陶磁、染織、漆芸、金工、木竹工、人形など工芸の分野で優れた作家・作品を選び顕彰するもので、2年に1度開催される。美術界の第一線で活躍する研究者や工芸家に推薦された作家17人の作品を審査し、造形手法のプロセスにコンピューターを用いた先端技術の造詣の豊かさが評価された。
受賞記者会見で林氏は「すべての作品にコンピューターを使うわけではないが、乾漆蓮花食籠(かんしつれんかじきろう)はデザインにコンピューターを介したほうがいいと考えた。伝統工芸にコンピューターを介していいものかどうか、というそもそもの問題はあるが、せっかくこの時代にそうした技術が手に入る中で、途中のプロセスとして使った。工芸の分野はいろんな要素を含み、素材、技法、歴史の背景などたくさんのものを含み成り立っている。神様に対し、この時代のレポートを書いている感覚で制作した」と話した。
大賞受賞作品ならびに候補として推挙された17作家の作品49点は9月1日から10月24日まで「MOA美術館リニューアルオープン記念第6弾」として同美術館で展示される。
(熱海ネット新聞)
◆林曉氏の出展作品「乾漆蓮花食籠(かんしつれんかじきろう)」2017年、乾漆朱漆合子「螺」(かんしつしゅぬりごうす ら)2014年、栓造朱溜塗組皿(せんづくりしゅためぬりくみさら)2015年
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