静岡県熱海土木事務所と熱海市は10月19日、市役所で記者会見を開き、津波対策協議会で基本方針が決まった5地区(熱海、多賀、泉、伊豆山、初島)の津波対策の方針を発表した。観光を中心とする産業、海岸線の景観や利用に配慮。防潮堤のかさ上げより、”逃げる”を基本とするソフト面を手厚くして被害を抑える「熱海モデル」を盛り込んだ。
熱海地区の必要堤防高は7メートルだが、サンビーチからマリンスパ間は、スカイデッキ、レインボーデッキ、渚デッキに既設の高さ6・6メートルを基本とし、避難誘導看板の増設や糸川・初川・熱海和田川の河口部に水門を設ける対策を充実させる。
多賀地区は、上多賀―中野間は6メートル、小山は7メートルで護岸などを造り、上多賀大川、熱海宮川、熱海仲川、鍛冶川に水門を設ける。和田木は新たな整備を行わないが、隣接する網代地区との調整により変更の可能性がある。初島は海岸の景観に配慮し、宮の前護岸波返し開口部の陸閘のみ整備し、防潮堤の新設やかさ上げは行わない。泉・伊豆山地区はレベル1津波では民家等の浸水が想定されていないため新たな施設整備を行わない。
■県内に50ある津波対策地区協議会で最初
熱海市では、市内の6地区に津波対策地区協議会を設立。2015年2月から各地区ごとに各4回の協議を実施。県内に50ある津波対策地区協議会に先駆けて、今年8月までに5地区(網代地区を除く)において基本方針をまとめた。基本方針が決まっていない網代地区は、引き続き、地区協議会で検討を続けていく。
関東大震災レベルの地震で想定される市の津波対策方針について、植松静夫熱海土木事務所長と齊藤栄市長が揃って説明した。
(熱海ネット新聞)
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