
世界的な版画家で芥川賞作家の故池田満寿夫さんの生誕80周年を記念するヴァイオリン演奏会が23日、熱海市下多賀の池田満寿夫記念館で開かれた。
池田さんのパートナーで国際的なヴァイオリニスト佐藤陽子さんが「生きていれば今日80回目の誕生日を迎えるはずでした」としみじみと語り、女子フィギュアで金メダルを獲得したソトニコア選手がフリーの演技で使ったサンサーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」やチャイコフスキー作曲の「なつかしき土地の思い出より、メロディア」などを演奏した。
ミニコンサートだったため、70人しか入場できなかったが、市内外から駆け付けたファンや市民は、開催中の「池田満寿夫FUJIYAMA(富士山)展」を通して故人を偲んだ。
池田さんと佐藤さんは1982年12月に熱海に移住。1986年12月に新たに取り組み始めた作陶の場として当地に工房を構え、満寿夫の「満」と陽子さんの「陽」をとって「満陽工房」と名付けた。大作「天女夢幻」をはじめ、陶を中心にブロンズ、書、版画などが展示されている。
(熱海ネット新聞)
◇池田満寿夫 1934年(昭和9年)2月23日、長野県生まれ。世界的な版画家で陶芸家。「エーゲ海に捧ぐ」で芥川賞受賞。多摩美大客員教授。1997年3月8日、熱海市の自宅で心不全で急逝。享年63歳。佐藤陽子さんとはオシドリ夫婦として知られる。
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