
上智大学教授でドイツの古典文学が専門の高橋明彦さんが16日、熱海市立図書館5階会議室で「ゲーテのファウスト」をテーマに特別講演会を開いた。
ゲーテが人生の長い年月をかけて完成させた「ファウスト」のうち、グレートヒエンの2曲について話し、ドイツの古典的文学を分かりやすく解説した。シューベルトの歌曲やロマン主義を代表する画家のひとりドロクロアの石版画(リトグラフ)、手塚治虫の漫画などの話も織り交ぜ、満席となる60人超の市民が熱心に聴き入った。
高橋教授は2006年から熱海に住み、著書「ゲーテ『イタリア紀行』の光と翳」(2011年、青土社)を寄贈したのがきっかけとなって今回の特別講演会(熱海市教育委員会主催)が開かれた。
市立図書館では、これまで熱海市の歴史などについての講演会は行ってきたが、今回のように専門的なテーマに絞った特別講演会は初めて。どれだけ市民の興味を引くか興味深く見守っていたが、たちまち満席となり、急きょ、椅子を追加するほどの盛況ぶり。
熱海には海外の古典的文学に興味を持つ知的高齢者が思いの外多いことが分かった。
(編集主幹・松本洋二)
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