
伊豆山神社が奈良国立博物館と奈良文化財研究所の協力のもとで保存修理を行っていた同神社所蔵の「銅造伊豆山権現像」=写真=の修理が終わり、2月6日から3月14日まで同国立博物館で特別展「伊豆山神社の歴史と美術」が開催される。同博物館では2012年に開催した特別展「頼朝と重源―東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆―」でも「銅造伊豆山権現像」を展示し、伊豆山神社の歴史と信仰を紹介したが、今回は「男神立像(だんしんりゅうぞう)」「法華曼荼羅(ほっけまんだら)」「阿弥陀(あみだ)如来坐像」「扁額(へんがく)伊豆大権現」など同神社伝来の貴重な宝物20数点も合わせて展示する。伊豆山神社がこれほど大掛かりな貸し出し展示を行うのは初めて。
◆保存修理 「銅造伊豆山権現像」は全身に広がる腐蝕がいちじるしく、面相部を覆う分厚い錆が像容の正確な把握を困難にしていた。今回の保存修理で像表面の錆を落としたところ、下層から造立当初の威厳ある顔立ちが現れ、またまばゆい輝きを放つ鍍金も多く残存。
◆伊豆山神社 伊豆権現、走湯権現とも呼ばれ、平治の乱で伊豆国に流された源頼朝(1147~99)が平氏打倒の兵を挙げる際、挙兵を後援し鎌倉幕府樹立へと導いた。東国の守護神として絶大な信仰を集め、歴代将軍や幕府要人は伊豆山神社と箱根神社に参詣する「二所詣」を重ねた。
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