NHK「潜れ!さかなクン」 熱海の海底遺跡を解明 発見者・國次さんを再評価

タレントで東京海洋大学客員准教授の「さかなクン」が全国のまだ見ぬ海を潜りまくって探検するドキュメンタリー番組「潜れ!さかなクン」(NHK総合、熱海ロマンの海へ編)が5月6日夜、放送された。自ら潜って熱海の海&魚たちを紹介するとともに、不思議な海底遺跡の謎や海底の葵(徳川家のご紋)の瓦などを調査し、ロマンあふれる熱海の海に迫った。

注目を集めたのが、熱海サンビーチ沖で発見され、2003年に全国的な話題となった「熱海海底遺跡」。スキューバダイビングのインストラクター國次秀紀さんが1975年から独自に調査し、熱海サンビーチのわずか100メートル(熱海港海釣り施設の防波堤近く)の水深20メートル〜35メートルの海底で人が作り出したような石垣や階段、回廊などを発見。さらに錦ヶ浦にかけて石の鳥居や錨(いかり)石も見つけ、NHK、朝日新聞、静岡新聞など主要メディアに「鎌倉時代に海に沈んだ海底遺産か」と取り上げられた。

その後、「熱海の海底遺産保存会」が東海大海洋学部の強力を得て調査に乗り出し、海底調査を行ったが、資金的な問題や、石の科学的な年代測定が難しいことなどの事情から、10年以上手つかずの状態が続いた。
番組では、さかなクンが「古代の船着場(ドック)説」を唱える国次さんと潜って調査するとともに水中ドローン「ギョ探」を使って詳細に撮影。特別の許可を得て石垣のサンプリング(採取)も行い、地質学者の千葉達朗日本火山学会副会長が解明に挑んだ。

千葉さんは、「1回しか調査していないのでなんとも言えないが」と前置きした上で、①石が火山が噴火した時に急激に冷えてできる「玄武岩質安山岩」であること②均一に並べられた石垣ブロックの隙間にくさび(小さな石)がみられず、人工的な石垣とは違うーーことなどから「柱状節理が横に倒れて石垣や石の階段を作った可能性が高い」と推測した。
2000年前まで伊豆半島と本州は別のプレートにあり、フィリピンプレートに位置する伊豆半島は約160キロ離れた八丈島付近の海底火山群だった。そのプレートが伊豆半島を乗せて毎年4センチずつ本州に近づき、100万年前に本州に衝突し、現在のような形になった。その際、マグマが冷却固結する際に五角形ないし六角形の柱状の割れ目が生じ、その岩石の柱が集合したのが柱状節理。玄武洞(兵庫)、二の浜の岩脈(福井)に比肩する地球的な地質遺産として、発見した國次さんの功績をたたえた。

初島では、現地で初島沖海底遺産を調査する東京海洋大学の長井宣子さん(海洋考古学)と潜り、海底の葵の紋(徳川家の家紋)が入った瓦を調査。「大阪の商人が江戸城の瓦を東京に送った際に船が沈没し、積んでいた瓦」と推測した。

熱海市の錦ヶ裏は、ユネスコ世界認定を受けた伊豆半島ジオパークの鑑賞スポット。ロマンあふれる熱海の海に着目し、海中探検を行ったさかなクンとNHK潜水取材班の慧眼に感謝ー。
(熱海ネット新聞・松本洋二)


「潜れ!さかなクン」NHK総合
■2019年 5月 6日(月)
■午後7:30~午後8:45(75分)
【出演】さかなクン,藤井隆,安田美沙子,地質学者・日本火山学会副会長…千葉達朗,叶美香

 

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