湯川れい子さん、江原啓之さん、雨宮盛克宮司が熱海の魅力トーク 全国から500人

熱海市チャレンジ応援センター「A-biz(エービズ)」は10月31日、ホテルニューアカオ で「リニューアル2周年記念トークショー」を開いた。30年ほど前から熱海市に仕事場を構える音楽評論家・湯川れい子さん、7年前から熱海と都内の自宅を行き来し、今年から完全な熱海市民になったスピリチュアリスト・江原啓之さん、年間72万人が参拝する来宮神社の雨宮盛克宮司が熱海の魅力や活性化について思いを語り、全国各地から約500人が聴き入った。
コーディネーターはA-bizと連携する富士市産業支援センター「f-biz(エフビズ)」の小出宗昭センター長が務めた。

湯川れい子さん

熱海との出会いについて湯川さんは40年前のエピソードを披露。「当時、町田の方に恋愛相談などにとても明るい霊能者の女性がいらして、その人から“いずれあなたは体を壊したら、熱海の塩湯が効く。熱海に仕事場を持つといい」と告げられたいう。それで仕事場を探しにきたら、当時はめちゃくちゃ高くて、手が出なかったという。30年ほど前にバブルがはじけ、その後の熱海はペンペングサも生えないほどに衰退。その時期に、前市長から要請があり、国際的な照明家の石井幹子さんとともに女性視線からの熱海再生のシンポジウムに加わった。
「ここからも見えますが、熱海城の先に白い仏舎利塔があり、ほかにも大きな建物が…。あれ全部、様々な宗教法人なんです。向こうにはMOA美術館や世界救世教もある。仏舎利塔をお建てになった日蓮宗の藤井日達上人が“熱海は日本の聖地です”とおっしゃられていたように、熱海は清らかで気に満ちている。岡田茂吉さんも同じようなことを話されています。ご自身のお体でその気を感じ取ってください」と訴えた。
また、熱海は物件の値が高く、若い人には購入し難いが、住み方はあると助言。「古いマンションの空き部屋が多くなっており、1人で借りないで3人ぐらいのお友達で借りればセカンドハウスになる。仕事場に通うのは大変かもしれないが、交代でいろいろ使える。本気で一生懸命探して欲しい」とアドバイスを送った。

江原啓之さん

江原さんは「あのユーミンも新婚旅行は熱海だったそうです。来宮神社のちょっと上のお宿がユーミンのご親戚」ととっておきのエピソードを披露したあと、「私は熱海には縁もゆかりもなく、移住したかったは軽井沢。あそこにイングリッシュガーデンを作るのが夢でした。全国で23講演があったある月、たった2日の休みの1日を軽井沢ですごし、東京に戻るともう1日は熱海に行けという天の声。まるで今の家に導かれるように熱海に来た」と当時を述懐。
熱海が抱える働く世代の移住促進には、雇用の創出がカギとし、アジアの都市で良く見かける「トクトク」(小型バイクの三輪者)の特区導入を提案した。「熱海は坂道が多く、他の観光地のような人力車は難しい。タクシーは遠距離、トクトクは近距離と棲み分けることもできる。お年寄りや、バゲージを抱える旅行者も助かるし、それよりなにより、若者の移住者を呼び込める」と話した。
さらに熱海を発展させるために大規模な市民ホールの整備を要望。「熱海は癒しの場、ホールは必要。キャパ(収容席)は1000以上、できれば1200は欲しい。1000以下なら発表会で終わってしまい、いらない。ランニングコスト考えると1000以下では商売にならず、芸能人は来てくれません。1200で湯川さんの声かけがあれば、スーパスターの氷川きよし君だってこないわけにはいかない。2回転すれば採算は取れる。そうなれば、追っかけがいっぱいいますから、宿泊客が増え、近隣も賑わう」と続け、市が検討している400〜500席案に疑問符を投げかけた。

雨宮盛克来宮神社宮司

雨宮宮司は、平成17年度(2005年度)に11万人だった来宮神社の年間の参拝客数が平成30年度(2018年度)には72万人まで増加したことをグラフで紹介。「参拝客の7割くらいが20代〜40代の若い世代」と分析した上で、「若い世代に響く境内づくり」をテーマに様々な試みを実施したと述べた。
昭和30年代、40年代、50年代ごろは年間500万人が熱海市に宿泊し、黙っていても客さんが来る時代があったが、30年ほど前から客足が激減した。「しかし、どん底を経験しないと変わる勇気が出てこない」と振り返り、17年前に「このままじゃ神社を護持できない」と決意。観光地の神社の特性を生かして参道に青竹を植え、本殿を改装。参集殿を建て、大楠へ行く小道やオークスガーデンなどを整備。休憩施設を4カ所設けた。
カップルの客や女性客向けに大楠のライトアップも行い、夜間参拝者を大きく増やした。
「神社には変わらない美学もあるが、進化する美学もある。守りたいものを守るために変えていくと。そこで絶対に変えては行けないものを明確化し、五感を感じる境内づくり、非日常的な空間を作ったことが奏功した」と振り返った。
神人共食という意味で、来宮神社の神様が好んだとされる「麦こがし」を使ったスイーツづくりもその一つ。「常に新しいことにチャレンジしないと飽きられてしまう。 最初は2店舗2種類しかなかったが、今では11店舗50品のスイーツができた。神社とお店をA-bizが繋ぎ、相乗効果をもたらせている」と起業を目指す聴衆に助言を送った。
(熱海ネット新聞)

齋藤栄市長


■齋藤栄市長 A-bizを一言で言えば、頑張る熱海の事業者、個店を応援すること。7年前まで行政が特定の事業者やお店を応援することはなかったが、それに挑戦し、2年前に山﨑浩平チーフアドバイザーを招聘し、さらにレベルアップした。本日は2周年記念のパネルトーク。熱海市にゆかりの深いに3氏おいでいただき、参加申し込みが殺到。会場を変更して開催させていただいた。
■A-biz(エービズ) 熱海市役所と熱海商工会議所が連携し、地域の中小企業の売り上げアップに向けた相談を行う個店支援事業。

山﨑浩平チーフアドバイザー

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