熱海市議会6月定例会は6月26日、最終本会議を開き、2021年度熱海市一般会計補正予算など13案件を賛成多数などで可決、承認して閉会した。今定例会の最大テーマだったDMO(観光地域づくり法人)設立の根拠となる「熱海市観光振興条例」案の採決では、公明党の米山秀夫氏から後藤雄一氏と連名で「説明不足、継続審査が必要」との動議が発議された。竹部隆議長はこの扱いを議運に諮ったが、賛成少数で否決した。
米山氏は、採決前の討論で「観光全体の方向を示す観光基本計画、DMO組織、宿泊税、条例。これら関連する資料が一度に提出されたが、とても、6月定例会でこなせるボリュームではない。財源になる宿泊税、これらをわかりやすく説明し、十分に深堀りできる議論の時間を作って、条例を提出するのが丁寧な行政運営」と述べ、DMO設置を(市長の任期満了となる)来年9月に間に合わせようと急ぐ当局に警鐘を鳴らした。
とりわけ、疑問視しているのが、「花火大会の公営化」。熱海市各所の花火大会はこれまでホテル旅館協同組合等の「民」の努力で経費を賄ってきた。しかし、その経費を出さないホテル•旅館の宿泊客も花火を観ているという問題を解決するため、市は新税である宿泊税を創設した際、その一部をDMOを経由して花火大会経費の全部を公費で賄う構想を温めている。
「これが通れば、今後、花火大会以外でも客を呼び込むためのイベントをやろうとした時、それも税で賄えという声が上がってくる。DMOの本来目的である観光客の動向分析などの研究経費に税収を充てるべきところ、その経費が十分に確保できない可能性が大きい」と反発。観光振興条例は、観光施策を実行するDMOの財源となる宿泊税条例と合わせて制定するべきと、強く訴えた。
(熱海ネット新聞)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。