県議会で「伊豆山土石流災」論戦始まる 熱海市選出の藤曲敬宏氏が一般質問

熱海市選出の藤曲敬宏県議(自民党改革会議)は7月30日、静岡県議会6月定例会で一般質問を行い、甚大な被害をもたらした今月3日の熱海市伊豆山の土石流災害について、住民から強く要望されている生活再建及び復旧復興などの県の対応を、川勝平太知事、副知事、関係部局長並びに警察本部長に分割質問方式でただし、見解を求めた。
質問の冒頭で「発災から28日目を迎える本日、土石流に襲われ犠牲になった方が22名、そして未だ5名が発見されていません。常に来る人を温かく向かい入れるおもてなしのまち熱海が今悲しみに包まれている」と話し、「被災された方々は他人事ではなく、友人であり、親戚であり、知人ばかり。幼い幼稚園に通う子供を残して亡くなったお母さん、たくさんの友達から慕われていた高校生、ボランティア活動に汗をかいていたおばあちゃん、安くて美味しいお寿司を作ってくれる魚屋さん…。犠牲になられた方々の中には、この本会議の傍聴にも来ていただいた方もいらっしゃる」と、時おり唇を噛み締めながら話した。

熱海市が南熱海マリンホール(市民体育館)内に設置した遺体安置所についても触れ、熱海署の警察官が泥にまみれたご遺体を丁寧に洗ってご遺族に引き渡している様子などを紹介。感謝の言葉を述べた上で「遺体は、ほとんど即死の状態で、いかに土石流の勢いが激しかったか…。亡くなられた皆様のご冥福をこころよりお祈りするとともに行方不明の5名の皆様の一刻も早い発見を願う」と続けた。
そして熱海市民を代表して「この試練に立ち向かうべく、互いに支えあいながら一日も早く観光地熱海らしい日常を取り戻すため、悲しみを乗り越え、前を向いてまいります」と決意を述べ、県の支援を要望した。


土砂災害に関する質問は、①行方不明者の捜索と被災地域の安全・安心の確保②伊豆山地区の二次災害の発生防止と社会インフラの復旧③避難所から仮設への早期移転と入居期間④被災地熱海の行政サービス継続に向けた人的支援⑤観光地熱海の復興へ向けた取り組みーの5点。

このうち知事は、土石流災害で土砂やがれきが流れ込んだ伊豆山港について、9月末をめどに土砂やがれきの撤去を進める考えを示した。県は今議会に一般会計を111億1200万円増額する補正予算案を提出し、伊豆山地区の被災者支援に9億2700万円を計上。市が避難所として借り上げる経費や遺族への弔意金に充てる。
一般質問に対する県の答弁は次回掲載する。
(熱海ネット新聞)

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