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熱海市伊豆山の大規模な土石流発生から1カ月が過ぎた8月10日夜、市内桜町の今宮神社(八代一雄総代長)で、犠牲者の鎮魂と被災地区の復興を願う神事「夕べの祈り」が行われ、厳かに祈りをささげた。
氏子総代会で「同じ熱海市の神社として何かできないか」との提案があり、計画された。神社入り口から本堂へ送り火に代えて300個のろうそくを並べ、氏子代表約40人が提灯を手に本堂へ歩いた。
異例の午後8時から斎行したのは、平安時代の古より、御霊(みたま)を鎮めるには静寂な時間がふさわしいとされるからで、本殿前のかがり火とろうそくの明かりだけで斎行した。
神事では、泉明寺みずほ宮司が祝詞(のりと)を奏上。「鈴の舞」を奉納して御霊を鎮魂した。神社役員、厄年奉賛会「今宮叶會(いまみやかなえかい)」代表らが玉串をささげた。
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この夜の「夕べの祈り」には、市内桜木町の古刹•興禅寺の千葉元宗和尚夫妻が同神社に出向き、真榊(まさがき)を奉納。土石流災害の犠牲者を供養した。
泉明寺宮司は「25人が亡くなり、ご遺体が見つからない方がいまだに5人。御霊が安らかに、被災された方々の心と体が1日も早く穏やかになるよう今宮神社と興禅寺が心を一つにして、お祈りさせていただきました」とあいさつ。千葉和尚は「明治初期の神仏分離以降、今宮神社と興禅寺が合同で儀式を行うのは初めての試み。市西部地区の寺として、同じ西部地区の今宮神社に必要のようなことがあれば、協力させていただく」と話した。
被災した伊豆山地区への支援の輪は、空前のスタイルで広がっている。
(熱海ネット新聞)
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