6月20日の市議会6月定例会の総務福祉教育委員会で、ロケ支援事業「ADさん、いらっしゃい!」を1人で担当する市観光経済課メディア戦略担当職員(51)の勤務体制があらためて問題になった。今年の2月定例会で、残業時間が年間1100時間、最大月で160時間あったこの職員の勤務体制が指摘され、齊藤栄市長は「1人の職員がこれだけの残業をしていることは精神的、肉体的に負担が大きい。チームで仕事を行うなどして労働条件の改善を図る」と答弁していた。
米山秀夫氏が、2月定例会に続いて、この問題を取り上げ、3カ月たったが現在の進捗状況を質した。市当局が「業務体制は変わっていない」と答弁したのに続き、市長が「一人の職員が大きな労働条件を負っているのは大変問題という認識は2月定例会で答弁した通り。現在、メディアプロモーションについてさらに発展させるべく考えで、チームでやる場合、どのように編成するか検討している。体制として補助要員を付けているわけではないが、議論を踏まえてしっかいとやっていく」と話した。
米山氏は「言行不一致。検討ばかりで、3カ月たっても何もやっていない。こういうことは上からのトップダウンで配置転換しないと解決しない。公務員が同じ仕事をしていると心配事が出てくる。いいにつけ、悪いにつけ、市民からいろんな声が聞こえてきている」と改善を求めた。
また米山氏は、この職員が自身のSNSで、「ロケ支援事業の時間外勤務が多いというごく一部の新聞の報道が、熱海ロケの敬遠という方向につながっている」「時間外手当のことより、もっと重要なことは、熱海市というネーミングのイメージアップ」「熱海市が箱根のようにお客様を裏切らない観光地、保養地としての確固たるイメージ、“憧れ”を末永く確立できたなら、いつ死んでも本望」などと投稿していることも問題視。「新聞は、議会で取り上げられた問題が社会性があると考え、ニュースとして報じた。そのことでロケが敬遠されている、と論じるのは報道機関に大変失礼な話だ。職員は熱海のイメージアップのためなら死んでも本望、とも書いているが、そういう表現こそが熱海のイメージを損なっている。(ロケ支援事業を1人担当で続けることは)市長が、熱海市のまちさえよくなれば、職員の命はどうなってもいいと言っているに等しい。市は職員が死んでもいいと考えているのか」と再度質した。
これに対し、当局が「職員一人、ひとりは財産。職員の心身の健康、労働環境は大切で絶対に死ぬということがあってはいけないこと」と答弁。米山氏は「それでも改善しないのが理解できない、その職員がけがをしたり、インフルエンザにかかったり、退職したらそれでアウト。その人でしか本当にできない仕事なのか?後継者を育てる意味でも早急に改善が必要」と強く求めた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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