
JR伊東線の網代駅が駅員無配置(無人駅)となってまもなく2年が経過するが、同駅に名誉駅長が誕生し、熱海市に住むJR鉄道OB会の陣内康策氏(78)が着任した。JR東日本の名誉駅長制度は、2012年に発足。横浜支社管内では、東海道本線・根府川駅と相模線・入谷駅に配置されていたが、昨年10月に網代駅と相模線・相模台下駅、宮山駅が新たに加わった。静岡県内では第1号。
名誉駅長は、地域に密着した駅づくりを目的に、過去の鉄道における業務経験などを考慮し、鉄道OB会の推薦をもとに駅近隣に居住するOBなどに委嘱する。陣内さんは現職時代、当時熱海市にあった国鉄官舎に住み、東海道新幹線をはじめ、東北新幹線、山陽新幹線などの保線業務に携わり、定年後もJRの関連業務に従事。現在は市内西山町の自宅マンションで夫人とともに市内のボランティア団体などで活動している。
■観光の名所、網代駅は最優先
近年、社会経済の変化により、伊東線(熱海駅~伊東駅)の中間駅(来宮、伊豆多賀、網代、宇佐美)の利用者が減少しているが、観光を主産業とする国際観光都市熱海の「網代」は、温泉と風光明媚な漁港、海の幸・山の幸に恵まれ、年間を通じて多くの観光客が訪れる。しかも、全国でも珍しい、特急電車(踊り子・スーパービュー踊り子)が停車するにも関わらず、駅員がいない駅。JR東日本が最優先で「名誉駅長」を配置したのもうなずける。
「名誉駅長」はボランティアのため、常勤ではなく不定期に活動を行う。報酬はないが、制帽は赤地に金線の入ったJR東日本の正規の駅長帽が贈呈された。これはJR・国鉄のOBにとって何よりの名誉-。
陣内さんは「今月13、14日に開催される網代温泉ひもの祭り(大縄公園)でも出勤しますので、駅で見かけた時は、どうそお気軽に声をかけてください」と呼びかけている。乗客のアテンドや見守りが主な仕事。安心、安全の駅づくりに旧国鉄マンが精勤する。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
写真=前回の網代温泉ひもの祭り
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