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大型連休が終わり、財布のひもが固くなったのか、11日(日曜)は日本中が静まり返った。そんな中で熱海市内は大いに賑わいをみせ、市民や観光客が続々街に繰り出した。
熱海中心部では35年ぶりに「魚祭り」が復活し、下多賀の南熱海マリンホールと小山臨海公園では和太鼓競演とテニス体験がコラボして「第1回南あたみ文化祭」。熱海サンビーチでは「熱海ビーチクラブ」が5月定例会を開いた。3つのイベントに共通するのは若い女性と子供たちをターゲットにしていること。実はこれが侮れない。女性が動けば男性が伴う。子供が来れば、父兄がもれなくついてくる。人出が多くなるのは当然なのだ。
この新しい潮流。「魚祭り」は熱海鮮魚組合の宇田勝会長。「南あたみ文化祭」はNPO法人アタミスタの市来広一郎代表理事と網代おやじの会の聞間秀人会長。「熱海ビーチクラブ」はNPO法人シップチャンドラーの光村智弘理事長。けん引しているのはいずれも50歳前後のニューリーダーたち。旧態依然のイベントを憂いる新世代が一斉に蜂起。「市民の力」で新たな熱海ファンを掘り起こしている。
今週末は「海辺のあたみマルシェ」があり、熱海を拠点に創作活動する陶芸家の作品や農家が育てた食材が味わえる。狭いエリアでこれほど多様なイベントが開催されるのは観光都市だからだろうが、見逃せないのが、これらの民間イベントに参加した人の数が、公的な「観光入れ込み客数」にカウントされていないことだ。
入場料を取らないこともあり、正確な数字をつかめないのも事実だが、市は市が直接絡まない民間のイベントに繰り出した人数を数えようともしなければ、上方修正しようともしない。熱海を訪れる年間の来遊客数は560万人(平成24年度)とされるが、実はもっともっと多い。5月11日だけでも1万人は違う。
悲しい現実ではあるが、視点を変えれば、熱海の観光力は数字以上にポテンシャルが高いということだ。市に頼らない市民のイベントは年々増え、しかも右肩上がりで伸びている。そう考えると、熱海の将来はまだまだ捨てたものじゃない。
(編集主幹・松本洋二)
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