
熱海市上多賀の「頼朝ライン」にある旧跡「頼朝の一杯水」でアジサイの花が見ごろを迎えている。
父源義朝が平治の乱で敗れ、頼朝は蛭ヶ小島(伊豆の国市)に20年ほど流された。そんな折り、お目付役の伊東祐親(平家)が京都に上っている間に娘の八重姫と恋仲になり、千鶴丸が生まれる。帰郷してこれを知った祐親は激怒、いやこのままで自分の身が危ういと思い、千鶴丸を滝に捨てた。
頼朝も命をねらわれ、伊東を脱出して網代から船で上多賀の赤根崎に上陸。伊豆山へ逃げる途中、険しい山道を登りつづけ、のどが渇ききった。水を探し回ったが、見つからない。途方に暮れて腰をおろし、刀の柄で大地を突くと、突如水が湧き出し、伊豆山神社へ駆け込むことができたという。
ざっくりいうと「頼朝の一杯水」のいわれはこんな感じ。現在は小公園となり、千鶴丸を祀った峠の地蔵尊も安置されている。そのいにしえの水で育まれた白(源氏)のアジサイには鎌倉武士の気骨が漂う。
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