ポルトガルで歌い継がれている「ファド」の若手人気歌手、ミゲル・カモンイスさんのライブが11月15日夜、起雲閣音楽サロンで開かれ、情感あふれる歌声とポルトガルギター、ヴィオラの音を響かせた。
熱海市とポルトガル・カスカイス市が姉妹都市という縁があり、ファドの魅力を紹介する日本ツアー「ファド・ノ・ジャパン」の静岡公演を熱海国際交流協会(AI、松本義広会長)が主催した。
ファドは、イタリアのカンツォーネ、フランスのシャンソン、アルゼンチンのタンゴ、ブラジルのサンバにあたるポルトガルの民俗歌謡。19世紀中ごろにマリア・スヴェーラの歌によって人気が世界的に高まり、2011年にユネスコ無形文化財に登録された。
《プロフィール》ポルトガル国立エヴォラ大学、スペインの公立マラガ大学にて建築学を修める傍ら10代から歌手活動。数々のアマチュアコンクールで優勝し、プロ歌手としての活動を開始。現在はファドの聖地であるバイロ・アルトの有力店Caldo Verde、同じくファドの聖地アルファマのTravessa do Fadoにレギュラー出演している。ポルトガル共和国アレンテージョ地方アルモドーヴァル出身。
熱海サンビーチと親水公園を散歩してステージに臨んだカモンイスさんは「カスカイスはリスボン郊外の国際リゾート地。この夏にそこで公演したが、きょう熱海を散歩して雰囲気がよく似ていて驚いた。今夜は熱海のみなさんにファドを知っていただくことができ、大変感謝している。両市、両国の関係を深めるためにも私はファドを歌っていきたいと思います」と語った。
松本義広熱海国際交流協会会長
「駐ポルトガル大使を務められた四宮さんと熱海のご縁もあって、起雲閣でコンサートを開くことができた。大変多くのお客様にお集まりいただきましたが、まだまだチケットを欲しい方がたくさんいらしたようで、ファドへの関心の高さに驚いている。私自身もリスボンの夜の酒場で拝聴したファドを今宵、再び聴くことができ、楽しみにしている」
公演に先立ち。松本義広熱海国際交流会長、四宮信隆元駐ポルトガル特命全権大使(ファド・ノ・ジャパン実行委員長)、齋藤栄市長があいさつ。起雲閣でのファドは2010年2度目。予定していた150席は販売直後に完売になる人気で、多くの観客が人生の歓びや悲しみ、郷愁などを題材にしたポルトガル人の心の歌に聞き入った。
(熱海ネット新聞)
■ ファド・ノ・ジャパン日本公演
・11月8日(金)ホテルニューオータニ大阪
・11月10日(日)松山市民会館
・11月12日(火)茨木市市民総合センター(大阪)
・11月15日(金)起雲閣(熱海)
・11月16日(土)ヴィラモウラ銀座本店(東京)
四宮信隆元駐ポルトガル大使
「ファド・ノ・ジャパンは、ファドの殿堂であるリスボン市立ファド博物館と提携し、有力な歌手を日本に招聘して、本場のファドを味わっていただこうという企画。ポルトガルには歴史に裏打ちされた深い文化があり、ファドは、心に秘めた喜びや悲しみ、愛する人への思いなどを、感情を抑えながら心を込めて歌い上げる。同ツアーは2年1度実施しているが、今年は若手のホープ、ミゲル・カモンイスさんをお招きした」
齋藤栄市長
「熱海市とポルトガルのカスカイス市は1990年に国際姉妹都市となり、その縁でジャカランダを植栽し、今では梅、あたみ桜に続く熱海市を代表する花木になっている。本日のファド公演を機にこれまで以上にポルトガルと日本、熱海市の文化的交流、観光の発展につなげていきたい」
カスカイス市の海岸風景
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