熱海市在住のヴァイオリニストで声楽家の佐藤陽子さんが7月19日、熱海市内の病院で亡くなった。72歳だった。佐藤さんはかねて肝臓がんで闘病生活を送っていた。コロナ禍のため、葬儀は近親者のみで行った。
1980年(昭55)1月に池田満寿夫氏(版画家で芥川賞作家)との結婚を宣言し、82年(昭57)12月に市内海光町に転居。文化イベント、コンサートなど市の行事にも積極的に参加してきた。1997年(平成9年)にパートナーの池田満寿夫が亡くなった後は、海光町の自宅(現創作の家)、下多賀の満陽工房などを熱海市に寄贈した。
(熱海ネット新聞)
佐藤さんは1949年(昭24)10月、福島市生まれ。3歳よりヴァイオリンを始め、1958年に来日中のレオニード・コーガン氏に才能を認められ、翌年、ソ連政府の給費留学生としてモスクワ音楽院附属学校に進学。1966年にはチャイコフスキー国際コンクール第3位。同年モスクワ音楽院に進学。1969年にロン=ティボー国際コンクール第3位。
1971年にモスクワ音楽院を首席で卒業した後、フランスに渡り、ヨゼフ・シゲティ氏に師事。1972年、パガニーニ国際コンクールで第2位。また世界的なソプラノ歌手マリア・カラスさんに声楽の才能を認められ、ソプラノ歌手としてジュゼッペ・ディ・ステファーノらと共演。1975年にルーマニアのブカレスト国立歌劇場で「蝶々夫人」でデビューし、日本でも公演を行った。
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