
熱海市議会6月定例会の一般質問が22日始まり、初日は自由民主党議員団の7氏が登壇。トップバッターの田中秀宝氏は「各種選挙の市長としてのかかわり」として、先の県議選で極端に偏った選挙応援をした斉藤栄市長を糾弾。「地位利用による選挙運動は公職選挙法に抵触する」と切り捨てた。
田中氏の一般質問の中の「県議選に関する質疑」を全文掲載
◆質問 田中議員
昨年の市長選で私は斉藤市長に挑み、私は落選したが、あなたも私も正々堂々と戦ったと自負している。
ですが当選後の9月定例会での発言や外部団体や市会議員への対応は、あまりにも首長としての重みが感じられず、残念でならない。
さらに県議選での偏った応援演説や活動は市長という立場を超えており、非難を逃れるものではないと思慮するが、市長はどのような思いを持って偏った選挙応援を行ったのか、誠実に答えていただきたい。
◆答弁 斉藤市長
県議選の私の対応については、さまざまな立場からご意見があろうと思う。元々、私は国政選挙などでも中立的な立場をとっており、今回も基本的な姿勢は同様に考えていた。
しかし今回は平成18年の私にとって初めての市長選で中心となって働いていただいた方からのたっての要請でしたので、悩んだ末に私はその要請にお応えすることにした。しかし、民意によって新しい県会議員が選ばれた以上はしっかりと連携していくことが市政発展のために必要と考え、私から対話を申し入れさせていただいた。
今回の県議選での対応は私の政治家としての判断だが、市民のみなさまにご心配をかけたところがあるとすれば、その点は申し訳ないと思っている。
◆再質問 田中議員
市長の「恩義を返したい」という思いは一定の理解はできるが、それにしても偏り過ぎている。選挙カーに乗り込んで自らマイクを持って支援を訴える。そのような首長の応援は過去に私は見たことがない。あまりにも市長としての責務を放棄しているとしか言いようがない。
県議選期間中(4月3日告示~12日投開票)の市長のスケジュールを調べさせていただいた。3日と8日、9日はまる1日登庁せず。7日は午後から登庁。10日は午後から退庁。市役所が開庁していた6日間のうち、2日間しか市役所にいなかったことになる。もし不在の時間が選挙応援に費やされていたならば、恩義の域を超えている。
改めてお聞きするが、このスケジュールにある通り、登庁していない時間は全て選挙応援にかかわっていたのか。
◆答弁 市長
すべて選挙応援していたわけではないが、大変大きな重い決断。それによっていろんな影響がでることも当然考えられる。私としてはそういった影響は頭に入れての政治家としての判断。恩人に対してしっかり恩を返したいという思いから政治家としての判断をさせていただいた。
◆質問 田中議員
恩義を返したいという思いは分かるが、仮に百歩譲って理解したとしてもこのことは僕は許せない。
熱海市の指名参加業者にお願いして4月9日、下請け業者を集めさせ、夜、その事務所において候補者を同行させて支援をお願いしたと聞いている。それは事実か?
◆答弁 市長
一定の方をお集めした中で私が候補者のことを応援したというのは事実だ。私が集めたのではなく、自然に集まったところに私が呼ばれるという形でお話をさせていただいた。
◆質問 田中議員
これは私の考えだが、これは明らかに公職選挙法の公務員等の地位利用による選挙運動の禁止に抵触している。市長選で市長と市議という立場の違いの差を実感した。1人区の県議選でこのような行為があったとしたら残念でならない。
市長自ら声をかけていないというが、市から工事の発注を受けている会社や委託業務を行っている会社は市からのお金を受けている弱い立場。そこの社長が市長から何か頼まれたら嫌と言えないのが世の常だ。
この優越関係を利用したとなるとまさに地位利用と考えるが…。
◆答弁 市長
私が行ったこと、いろんな判断は、しかるべき方にやっていただければいいと考えるが、私は自分のわかる法律等の範囲の中でやったと思っている。
◆質問 田中議員
この行動が報道され、市民の皆さんがどうとらえるかはわからない。(市民が)提訴するかもしれないし、法廷で結論が出るかもしれない。私個人の見解は明らかな地位利用であると表明したい。
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