来宮神社（雨宮盛克宮司）例大祭は１６日、午前８時３０分からの神幸祭のあと、時折、小雨が降り続く中、来宮の神々を御鳳輦に乗せて街に降りて氏子の地域を回る、例大祭最大の行事「御神幸行列」を行った。同神社から宮坂を下り、湯前神社、咲見町、熱海駅、汐見町を経て正午過ぎに熱海サンビーチへ至り、厄年奉賛会「桃陵丒寅會とうりょううしとらかい）」（川崎道生会長）が「浜降り神事」を挙行した。

御神地の渚小公園などで予定されていた鹿島踊、神子神楽、浦安の舞の奉納は雨のため、取りやめた。午後は清水町通り、旭町観光通り、銀座町、市役所、福道町を経て午後４時前に同神社に戻り、還幸祭でつつがなく例大祭を終えた。

行列の中の天狗（猿田彦）は天尊降臨の際案内した神様で、御鳳輦に鎮座する来宮大神の案内役を担う。巡行中は御祭神と御縁の深い「麦こがし」を撒きながら道中を御案内し、この「麦こがし」に触れると無病息災・身体健康になると伝えられることから、多くの市民や観光客が天狗のもとへ駈け寄った。道中では桃陵丒寅會の会員が「麦こがし」が入った袋を振る舞い、無病息災と熱海市の繁栄を願った。