源実朝をしのぶ献歌 、厳かに 伊豆山神社で「仲秋の名月伊豆山歌会 十五夜祭」

熱海市の伊豆山神社で仲秋の名月の9月13日夜、「十五夜祭」があり、第68回「源実朝をしのぶ仲秋の名月伊豆山歌会」(市主催、伊豆山温泉観光協会共催、角川文化振興財団後援)が開かれた。厄年奉賛会「伊豆山巳午友志童會(みうまゆうしわっぱかい)」(小川浩和会長)の会員が扮した山伏装束の僧兵とともに境内前に入場したあと、冴月さくらさんが「平家物語」を献読。齋藤栄市長のあいさつに続いて加藤登美緒さんと山口真紀さんが琴を、須藤英二さんがフルート献奏し、同神社とゆかりが深く、歌人でもあった鎌倉3代将軍実朝をしのんだ。
続いて「源実朝をしのぶ仲秋の名月伊豆山歌会」のジュニア部(小学生の部と中学生の部)で天位を受賞した4人のうち、内田慈樹さん(多賀小6年)と松村侑奈さん(第二小6年)が代表して作品を披露した。

十五夜祭では、原嘉孝宮司と大鳥居素禰宜が厳かに神事を執り行い、参列者が玉串を捧げた。
献歌では、現代歌壇で活躍する松平盟子さん、内藤明さん、真中朋久さん、小島なおさんが順に句を詠みあげ、地元中学生5人(島凰花さん、小澤ゆりさん、中田憂生さん、高橋奏音さん、和田愛海さん)が実朝の舞を奉納した。
『濃く淡く雲おほふ空に月はなく千年の月こころにうつす』松平盟子
『遠き世の人も交じりて見上げゐむ雲間を渡る沈黙の月』内藤明
『空わたる月のふなあし迅しはやし宋のくにまで半時もあれば』真中朋久
『生きる時間のなかにちいさく月を待つ時間がいつか灯るのだろう』小島なお

今年の中秋は、雲で月が隠れて見えない「無月」となったが、市民や観光客ら約150人の参拝者は、厳かな月見会を堪能した。
(熱海ネット新聞)
■源実朝(みなもとのさねとも) 鎌倉幕府第3代将軍、歌人。幕府を開いた源頼朝の4男。母は政子。兄の頼家が追放されると12歳で征夷大将軍。歌人としても知られ、伊豆山神社に参拝に訪れる際に十国峠で詠んだ「箱根路を我が超え来れば伊豆の海やおきの小島に波のよる見ゆ」は広く知られる。

■仲秋名月伊豆山歌会 30都道府県から一般の部に郵送で291首(ほかに当日投稿90首)、小学生500首、中学生586首の応募があり、歌人の松平盟子さん、内藤明さん、真中朋久さん、小島なおさんが選考し、それぞれ天位、地位、人位と次点を決めた。熱海市の起雲閣で授賞式と講評を行った。

 

 

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