熱海市伊豆山の大規模土石流で7月21日、被災家屋の泥出しなどを担う市民ボランティアの活動が本格的に始まった。初日は、市社会福祉協議会に事前に登録していた3790人のうちの熱海市民10人が、厳しい暑さの中、土石流の一番下流にある浜地区の被災した家屋の土砂のかき出しなどに着手。今後は現場の状況に応じて人数を増やしていく。
これに合わせ、ボランティアの人たちが熱中症にならず、安心安全に作業してもらおうと、東京都渋谷区の製造会社「HEATVANCE」(安才武志社長)は同日、熱海市に「熱中対策ウォッチ カナリア」を300台寄贈した。同ウォッチは、腕に巻いたセンサーで体内の深部体温の上昇をチェックし、熱中症になる前に、アラームとLED表示で知らせる。水分補給や涼しい場所で休むことを促すことで、熱中症を未然に防ぐもので、昨年の熊本の豪雨災害の復旧作業でも貢献。自衛隊や警察、消防の救助救出作業や、今夏の東京五輪のボランティア(港区)の健康管理にも活用されている。
安才武志社長(29)は、早稲田実業高、早稲田大学時代、熱海市紅葉ガ丘町の総合専門改修工事会社「モリボー」森厚太常務(30)と同級生。連日、メディアで報じられる熱海市の土石流災害の救出救助活動のニュースを見て、「何か、手伝えるものはないか」と電話。森氏から「今後は復旧作業が本格化する。ボランティアの活動支援が急務」と助言され、同社が開発した「熱中対策ウォッチ カナリア」の寄贈を申し出たという。
安才社長は「真夏の厳しい環境の中で作業を続けるには、熱中症対策が大切。役立ててほしい」と、轡田(くつわだ)敏秀危機管理課長を通じて市に寄贈。同社開発担当の本多広晃氏(30)が、取扱法などを説明。杉山利勝市議が同席した。
森氏は甲子園に出場するなど野球部で活躍、安才氏は高校のサッカー部主将を務めるなど絆は強い。早大人脈が土石流災害の復旧支援の輪を広げている。
(熱海ネット新聞)
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