
夏の観光シーズンを前に熱海温泉ホテル旅館協同組合(目黒俊男理事長)は6日、市内渚町の熱海玉の湯ホテルと渚親水公園で津波避難訓練を行った。
相模湾を震源とする地震7の地震が発生し、大津波警報が発令されたことを想定して行い、ホテル従業員が部屋に残された宿泊客がいないかをチェックしたり、渚親水公園にいた人たちに津波に備えて避難するよう呼びかけたりして、同ホテルの高さ14㍍の4階の避難所まで階段を使って誘導した。
熱海市は市民を対象にした津波避難訓練を毎年実施。「協働による防災連携づくり」を推進しているが、市の主幹産業であるホテル旅館の宿泊客や観光客に絞った津波避難訓練は今回が初めて。目黒理事長は「熱海を訪れる観光客や宿泊客を津波から守るのは民間の役目。熱海は津波や防災の対策がしっかりできていて、安心できる観光地だとアピールして誘客につなげたい」と話し、各ホテルの防災担当者に宿泊者から一目で識別できるデザインの専用シャツを配ることを決めた。
この日の津波訓練には同組合や市観光協会、熱海署、観光客ら約60人が参加した。
熱海温泉ホテル旅館協同組合・目黒俊男理事長
◆最速3分で津波到来 相模トラフ沿いで大規模地震が発生した場合、最大で8メートルの津波が最速3分で押し寄せるとされる熱海市街。この日の津波避難訓練ではホテル1階から4階に全員が階段で移動するのに3分を要した。課題は車いすを使っている人の避難。4人の人が必要で人的確保が宿題。
◆熱海温泉ホテル旅館協同組合・森田金清保安労務委員長「津波や地震はいつ来るか予測できない。今日の訓練を1日に終わらせず、災害に強い熱海作りにつなげたい」
◆熱海署・森山隆充警備課長「熱海市は観光の街。観光客を守るのも市民の務めなので、行政が行うのではなく、民主体の避難訓練を自助、共助のもとに続けてほしい」
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