
◇8月27日=MOA美術館能楽堂
◇出席者(抽選順) 森田金清氏(前熱海市観光協会会長) 斉藤栄氏(熱海市長) 田中秀宝氏(熱海市議)
◇司会=池田健三郎氏(経済評論家)
ー熱海の経済活性化について。
【森田】中心市街地をコンパクトに再生する。民間主導で住宅、オフィス、店舗などを整備し、若手の起業を支援する。熱海への移住検討者やIターン・Uターンのためのコンシェルジュ課を創り、まちなかからシャッター街を無くす。モデルはオリンピック開催を機に旧市街を再生させたバルセロナだ。駐車場、空き地などを活用して小さな公園、広場として再生する。オープンスペースを設けて風穴を開け、魅力ある空間を作り出す。ここをアレンジし、花を植栽したり、カフェを設ければ高齢者もゆったりくつろげる。斉藤さんは景気が良くなりつつあることで、マンション投資に期待しているようだが、ディベロッパーはすぐに入るが、景気が悪くなればやめてしまう。真っ暗な建物が増えるだけだ。それより、公民連携でまちづくり会社を作る方が熱海の再生につながる。
【斉藤】景気は底を打った。私が聞いている話では、熱海駅前のタワーマンションの工事が再開され、他の大型物件も動き始めている。旅館ホテルからも話は来ている。旧つるやホテル跡地の再開発もこれまでも引き合いはあったが、そぐわない内容で正直け飛ばしていた。しかし、それも熱海の価値を上げることで変わるし、市内遊休地・遊休施設へ民間投資を呼び込める。具体的にはシティプロモーションの強化でさらに魅力を発信し、梅・あたみ桜・ジャカランダを活用した取り組みを充実させる。夏は海水浴と花火、秋はグルメと芸術と言う風にテーマを定め、イベントを支援誘導し、宿泊効果を拡大させる。「住んでよし、訪れてよし」の観光まちづくりで経済活性化に取り組んでいく。
【田中】空き店舗増大の原因の一つに景観法に基づく市の条例がある。市中心部や東海岸町地区は観光にぎわい地区とされ、マンション建設には一定の容積率を商業スペースなどに充てる制約が付けられている。1階は飲食店などが義務付けられている。景気の低迷で借り手がなく、結果、空き店舗になっている。現状の景観形成を維持しつつ、規制の改善を図ればいい。そもそも空き店舗が増大したのは、街全体の景気が低迷しているからだ。市発注の5万円以上の工事や物品購入を市内業者へ徹底させる。昨年1年間で市が発注した総額2億5000万円のうち54.8%にあたる1億3000万円が市街に発注されていた。市民の税金は市内業者に還元する。東日本大震災の際に期間限定で実施した15人以上の団体旅行を誘客した旅行会社へのキャッシュバックも効果があり、期待できる。
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