3千本の灯りで小田原攻めの僧兵を供養 般若院で伊豆山送り火「ろうそく祭」

熱海市伊豆山の真言宗の古刹「般若院」で8月31日、豊臣秀吉に滅ぼされた伊豆山の僧兵の供養をかねた「伊豆山送り火供養ろうそく祭」が開かれた。本殿で伊豆山僧兵供養法会が営まれ、岡本慈興住職が読経し、犠牲者の冥福を祈った。その後、広場で同住職、齋藤栄市長、金井慎一郎副市長、竹部隆市議会議長、藤曲敬宏県議、岡本実行委員長らがたいまつに点灯し、僧兵の勇敢さをたたえた。
当地には豊臣秀吉の小田原攻め(1590年)の際、北条側に加わったため、焼き打ちされた悲しい歴史がある。戦前までは地元住人がお盆の迎え火、送り火とは別に、毎年8月31日に僧兵たちの送り火供養を行い、命を落としたおよそ3000人の僧兵や住民と関東大震災の犠牲者を供養してきたという。

伊豆山地区の活性化に取り組む「伊豆山をおもしろくする実行委員会」(岡本吉浩実行委員長)が14年前に復活させ、本堂と大師堂を結ぶ道や階段沿い、沿道に以前の送り火に代えて3000個のキャンドルを並べ、先祖を供養している。年々、評判を呼び、今年は伊豆山小学校の児童が作ったろうそくカップを添えたものなどを境内に約2000本、伊豆山の各町内会の沿道に約2000本を灯しした。
広場では、焼き鳥、焼きそば、カレーライス、生ビールのブースやフリーマーケットが並び、ハッピー ザ アンサンブル、歌手の目黒ひとみさん、伊豆山のBoxing school FIST、スタジオ バハ レル ハール(ベリーダンス)、豆州網代太鼓がステージを務めた。多くの地域住民や市民が訪れ、伊豆山地区の歴史に想いを馳せながら、先祖の供養と家内安全、無病息災などを祈願した。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■岡本吉浩実行委員長 小田原攻めでは豊臣秀吉方に加わり、恩賞を受けたとされる網代の漁師たちですが、「伊豆山お送り火供養ろうそく祭」では、初回から豆州網代太鼓の皆さんが演奏に駆け付け、ご協力いただいている。今後もオール熱海で伊豆山地区の魅力向上に努めていく。


■般若院(はんにゃいん) 真言宗の古刹で伊豆山神社(伊豆山権現)の別当坊だった寺院。伊豆八十八ヶ所霊場の二十四番札所。源頼朝はこの寺で平家討伐の願をかけ、一時住んでいた。豊臣秀吉の小田原攻めで焼亡したが、その後、徳川家康によって般若院の院号が与えられ、再建。明治の神仏分離によって伊豆山神社から2~3百メートル西の現在地に移転。大師堂には、弘法大師(空海)が刻んだとされる「大師像」(国重文)が安置されている。
■アクセスJR熱海駅より東海バス七尾原循環で約6分、「般若院前」バス停下車。

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