東急不動産(東京都渋谷区)が熱海港観光施設(現海釣り施設駐車場)の市有地を借り受けて会員制ホテルを建設する計画を7月8日に取り下げたことが分かった。熱海市が7月10日、明らかにした。取り下げの理由について同社は「新型コロナウイルス感染症の影響で建設スケジュールの見通しが立たないため、熱海市と相談して決めた」と説明。今後については「新型コロナウイルス終息後、熱海市から提案公募があれば、あらためて検討したい」としている。
同市有地は、熱海後楽園ホテルに隣接する市街が眺望できる一等地にあり、敷地面積約1万400平方メートル。市が実施した遊休地利活用の公募に2019年3月29日、同社が応募。「52年間の一般定期借地権で借り受け、年間2400万円の賃料を支払う。地上6階、地下1階建て、客室約180室の商業施設を備えたホテルを建設する」と提案していた。
しかし、熱海ホテル旅館協同組合連合会や観光関係者などから、建設予定地が熱海海上花火大会の打ち上げ場所に近いことから、「提案通りのホテルができると、現状と同じ規模の花火を打ち上げるのは不可能になる」という指摘や「公有地をリゾートホテルの会員という限られた利用者のために、50年もの長期にわたって独占的に使用させるのは疑問」といった声があり、市は「市民が納得するプロセスを経て、慎重に決める」としていた。
(熱海ネット新聞)
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