活況が続く熱海市で、体験型レジャー・陶芸体験が人気を呼んでいる。市内咲見町の陶芸工房「doka 土火(どかどか)」では、毎週末になると、首都圏から観光に訪れた若者たちが、手びねり、ろくろ、絵付けなどの陶芸を楽しんでいる。
年間307万人もの宿泊客が訪れる熱海市は、四季を通じて梅、桜、ジャカランダ、ブーゲンビリア、もみじなどの花木が街中を彩る。南欧コートダジュールのようなビーチやデッキ、MOA美術館などもあり、熟年層が散歩を楽しむには最高の環境。しかし、若者世代からは物足りなさを訴える声を時折り聞く。そんな若い世代の旅行者のニーズにこたえようと取り組んでいるのが、この陶芸体験教室。熱海市出身の陶芸家で店主の梅澤幸生さんが、「温泉に入って一泊し、チェックアウト後に楽しんでもらおう」と2015年7月に始めた。約1時間半のコースで手びねり、ろくろ、絵付けを指導し、焼き上げた作品は約1カ月後に郵送してくれる。
■豊漁ひもの店店主の湊克重さんが一番弟子
「ほとんどの人が初めての陶芸体験で、熱海の思い出作りに楽しまれています。せっかく熱海に泊まりに来ても、時間をもてあましいている人が多い。雨の日だととくそうです。その意味で体験型レジャーは季節や天候にも左右されず、ニーズはもっと高まると思う」と梅澤さん。店内には、梅澤さんの作品をはじめ、生徒、同店の大家で一番弟子でもある豊漁ひもの店店主の湊克重さん(69)の力作も地元価格で展示販売されている。
■熱海駅前から咲見町へ、観光客の動線に一役
湊さんは「咲見町には、この陶芸教室をはじめ、様々なレジャー型アート教室が増えてきた。咲見町は観光客で賑わう熱海駅から、来宮神社、熱海梅園に向かう途中にあり、新しい人の流れ、動線ができつつある。その先鞭を付けてくれたのが梅澤さん。感謝しています」。熱海駅前の平和通り商店街、仲見世通りで途切れていた人の流れが、咲見町に延びつつある。熱海に新たな風が-。
■梅澤幸生さん 1971年生まれ、47歳。陶芸家。陶芸工房「doka 土火(どかどか)」店主。熱海中―熱海高卒業後、都内に就職。元ジョナサン店長。30歳から陶芸家に専念、湯河原町の「Do陶芸館」で講師を務め、2015年7月独立。
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