1923年(大正13年)9月1日の関東大震災の際、熱海市伊豆山地区で被災者の救助活動中に37歳の若さで殉職した警察官、相羽清重巡査の功績を後世に伝えようと、地域住民が伊豆山神社の山道に顕彰碑を建立した。8月27日、遺族や建立へ向けて活動してきた人たち、熱海署の歴代署長らが除幕式を行い、地域防災への思いを新たにした。式典では伊豆山神社の大鳥居素禰宜による神事に続き、「関東大震災相羽巡査顕彰之碑の会」の大舘節生会長、當摩達夫伊豆山地区連合町内会長、中田剛充伊豆山浜町町内会長、高橋幸雄市議、奥田交治熱海署長、及川博行前署長、岡田卓史元署長、相羽さんの孫の鈴木文枝さん(66)と木村加恵さん(65)=ともに磐田市在住=、地元小中学生が除幕を行なった。
🔳関東大震災から95年、市民と熱海署の熱意実る
顕彰碑は高さ1メートル幅50センチ。表面には相羽巡査と功績を紹介する碑文が刻んである。相羽巡査は当時の三島署熱海分署に配属され、伊豆山駐在所の応援で、当時流行していた感染病の戸別調査に当たっていた最中に関東大震災に遭遇。地域住民を避難場所の伊豆山神社境内に誘導し、腰骨にけがを負った老人を背負って参道の階段を上っていたところ、2度目の強震で参道途中の鳥居が倒れ、その破片を頭に当てて命を落とした。熱海署が2年前、庁舎移転30周年に合わせて県警史で熱海署の沿革を調べていたところ、相羽巡査に関する記述を見つけた。同署から話を伝え聞いた地元住人や高橋幸雄市議が今年2月に顕彰碑建立の発起人会を作り、「崇高な職責を後世に伝えよう」と市民や熱海署歴代署長、署員らから資金を募り、この日の除幕式につなげた。碑文は奥田署長、肖像画は奥田署長の姉で日本画家の奥田紫光さんが描いた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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