
熱海市の敬老大会が30日、1日の両日、熱海後楽園ホテルで開催された。初日は南熱海、伊豆山、泉地区の70歳以上のお年寄り415人、最終日は熱海、初島地区の同じく479人が参加した。式典では斉藤栄市長、杉山利勝市議会議長、芥川暉実行委員長があいさつ。その後、「健康」と「生きがいづくり」をテーマに民謡、日本舞踊、保育園児の歌や遊戯などが披露された。
熱海市には70歳以上のお年寄りが、8月末現在(以下同)1万2411人おり、総人口(3万8157人)に占める比率は32・5%。市民の3人に1人が70歳以上ということになる。地区別にみると、熱海(32・7%)、伊豆山(39・6%)、泉(38・4%)、初島(17・5%)、上多賀(29・3%)、下多賀(26・1%)、網代(39・5%)。熱海は中間として、伊豆山・泉、網代の高齢化が高く、多賀地区が平均を下回っていることが分かった。
高齢化率(65歳以上人口)でみると、もっと分かりやすい。内閣府の平成27年度版高齢社会白書によれば、2014年10月時点での日本全体の高齢化率は26・0%。一般的には21%を超えた状態が超高齢社会。これに対し、熱海市は43・9%(今年8月末、以下同)と世界でも屈指の超高齢化都市となっている。地区別では、熱海(44・1%)、伊豆山(50・7%)、泉(51・8%)、初島(22・8%)、上多賀(39・8%)、下多賀(36・6%)、網代(53・7%)。伊豆山・泉、網代は2人に1人超が65歳以上だった。
面白いのは、昨年の敬老大会時に比べ、熱海市の総人口が419人減少しているにもかかわらず、70歳以上人口は159人、65歳以上人口が302人増えていることだ。この数字からも少子高齢化が見て取れるが、同時にいかに熱海市が温暖で温泉に恵まれ、健康的で安全・安心なまちづくりをしているかが分かる。
政府は「首都圏でこれから介護医療がパンクしてしまう懸念が強く、地方移住対策を含める」との日本創生会議の提言を踏まえ、高齢者が元気なうちに移住して必要に応じて医療・介護を受ける「日本版CCRC」への取り組みを進めている。いざとなれば、新幹線で1時間で首都圏に戻れる熱海市が、シルバー産業のモデル地区のトップリーダーになれる環境は整っている。元気なお年寄りこそ、これからの楽土・熱海のカギを握る。
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