
ゴングが鳴った。次期市長選に向け丁々発止が始まった。意表を突いた斉藤栄市長の本会議初日での「出馬表明」である。3選出馬は既定路線だったが、表明は12、13日の一般質問日と目されていた。
5月31日付の静岡新聞が「斉藤市長、6月2日から始まる市議会6月定例会で出馬表明」と報じた際、市長は地元2紙に「報道は憶測。以前から話している通り、任期期間中最後となる6月定例会の中で、意思表示したい」と玉虫色の回答をし、初日いきなりはないというニュアンスを込めた。
それより先に小紙が「12、13日に表明」と報じたのは「本会議初日は常識的にない」と判断したからだ。2日は次期市長戦で対決が予想される田中秀宝議員の全国市議長会による勤続15年の表彰が本会議であり、田中議員があいさつすることになっていた。手っ取り早く言えば、議会初日は田中議員の晴れ舞台であり、新聞、テレビ等でも大きく紹介されるはずだった。
それをバッサリと遮る形で、市長が意表を突く出馬表明。これで主役が入れ替わった。しかも綿密に計画されていたのだろう。市議会初日にも関わらず、中央紙はもとより、テレビ各社も取材にかけつけた。市長側近があらかじめ「2日出馬表明」をリークしていたからである。
勝てば官軍、負ければ賊軍。そういえば、それまでだが、仁義はある。自民党系の議員が吐き捨てるように言った。「いきなりかよ、いくらなんでもエチケットというものがあるだろうに…」―。
(編集主幹・松本洋二)
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