
静岡ツーリズムビューロー(静岡県観光協会)は7月5日、熱海市春日町のKKR熱海で「ライフツーリズムフォーラム静岡in熱海」を開催した。
訪日外国人旅行者が3119万人(2018年)に増え、その関心は従来の物見遊山型観光から地域の人々の日常的なライフスタイル体験へとシフトしている。来年は2020年東京オリンピック・パラリンピックを迎えることから公開討論会を開き、熱海の観光関係者や市民が「静岡、熱海ならではの魅力」についてそれぞれの専門家から話を聞いた。
フォーラムでは母国語でない言語の短期学習法の第一人者・湘南工科大のドン・メイビン教授が「語学はハートから 観光はOmotenashi(おもてなし)から」と題して基調講演。必要な語学の基礎をオンラインで学習し、実践する方法などを紹介。「多言語はよりよいおもてなしにつながり、経済効果や観光地の魅力発信に効果が大きい」と話した。
「コミュニケーションと〝熱海ライフ〟の力」をテーマに行ったパネルディスカッションでは、永松典子氏(インバウンド誌FIEJA編集長)がコーディネーターを務め、泉明寺みずほ氏(熱海今宮神社宮司、熱海市議会副議長)、武智一雄氏(写真家、ふじのくにしずおか観光振興アドバイザー)、トニー・エバレット氏(観光コンサルタント、戦略アドバイザー)が静岡県、熱海市のくらしと自然の魅力について公開討論。泉明寺氏は熱海特有の厄年奉賛会(御鳳輦)について触れ、「熱海には地元の中学を卒業し、市内外に進学や就職して散り散りになった人たちが28年後の厄年に合わせて集まり、1年間それぞれの神社に奉仕する他所にはない独特の伝統がある。隠れた観光資源」と紹介した。
武智氏は「熱海の観光の魅力は住民の多様性にある。元々住んでいる人、“マンション族”と呼ばれる首都圏に新幹線通勤する人たち、老後を楽しむ別荘所有者らが混在しており、この多様性が熱海の魅力構築につながっている」と分析した。
同フォーラムは御殿場市、浜松市、熱海市、静岡市で開催し、熱海市では「みんなのしあわせつくる 熱海ライフ&トラベルATAMI」をテーマに開催した。
(熱海ネット新聞)
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