
全国の歴史的な建物を巡るBS朝日の人気ドキュメント番組「百年名家」で、熱海ゆかりの文豪・坪内逍遙が亡くなるまでの15年間を過ごした終の棲家「双柿舎(そうししゃ)」(熱海市水口町)が紹介される。俳優の八嶋智人さんと女優の牧瀬里穂さんがナビゲートする。放送は9月8日(日)午前11時〜55分間。
「双柿舎」は、木造2階建ての主屋が大正9年頃に建てられ、その後離れや書屋を増築。逍遥自ら設計した。今回の放送では、熱海市の特別の許可を得て屋内が撮影され、普段は見ることのできい秘蔵室内を紹介。特に目を惹くのが3階建ての書屋。多宝塔のような搭の先端には、ヨーロッパの古城を思わせる銃眼付きの胸壁が施され、屋根は宝形で反りを持つ日本風。1階の書庫中央に設えられた階段を上って3階へ行くと、小宇宙のような3畳和室の書斎があり、舞台美術も手掛けていた逍遥ワールドが広がっている。
逍遥は明治45年に熱海市の糸川沿いに別荘を構え、この家の完成で移り住み、昭和10年に77歳で没するまで15年間過ごした。この間、シェークスピアの翻訳や熱海市歌(旧熱海町歌)を作詞、熱海市立図書館の創設に尽力するなど市の文化振興にも大きな功績を残した。毎年、命日の2月28日には近親者や市、熱海稲門会の有志が追悼行事(逍遥忌)を開いている。
庭に樹齢300余年と言われる柿の大樹が2本あったことから、逍遥の友人・会津八一が「双柿舎」と名付けた。現在は熱海市の文化施設として毎週日曜日に主屋や庭を公開している。
(熱海ネット新聞)
住所/熱海市水口町11-17
開館/毎週日曜日 10:00~16:00
料金/無料
問合せ 双柿舎0557-81-2232(日曜日のみ)、熱海市教育委員会生涯学習課 文化施設室(施設)0557-86-6232
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