
東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、小池百合子知事が不要不急の外出や隣の県への移動を控えるよう呼びかけている週末が3月28日、始まった。「このままの推移が続けば、ロックダウン(都市封鎖)を招く恐れがある」と危機感を表明した小池知事は、ウイルスに感染しているという自覚がない人たちが密集して感染が広がるおそれがあるとして、特に若者に対し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。
この影響が「隣の隣の県」の熱海にどう出るか注目されたが、大勢の若者の観光客で埋め尽くされる熱海駅前広場や平和通り、仲見世商店街はいつもよりもよりややひっそりとした雰囲気に包まれながらも、いぜんキャリーバッグを手にした若者たちが続々訪れている。
新型コロナウイルスの感染拡大でホテル旅館のキャンセルが相次ぎ、飲食店、土産店の売り上げも激減する中、若者の観光客を歓迎する声もあるが、一方で若者が媒介する形で市内で感染者が出ることを懸念する市民も少なくない。人口の約半数が65歳以上の高齢者のまちで高齢者施設も多くあるだけに、パンデミック(大規模感染)が起きる可能性がある。感染経路もつかみづらい。
観光地の宿命でロックダウンは困難なのは分かるが、市内の医療関係者からは「このまま何か方策を考えないと財政危機宣言どころではない危機を迎えかねない」と懸念する声が出ている。
幸い都の対応を受けて、神奈川、埼玉、千葉、山梨の周辺県も大学や短大、専門学校が始まるのを見据えて、「4月24日まで、特に今週末の不要不急の外出を自粛してほしい」と強く呼びかけている。感染が終息し、治療薬、ワクチンが開発されるまで不要不要の外出を自粛してほしいと願うばかりだ。若者の観光客を喜んでばかりはいられない。
(熱海ネット新聞・松本洋二)



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