

熱海市内で「ナラ枯れ」の被害が深刻化している。コナラやミズナラなどが病気で枯れる現象で、熱海市の全域で一足早い紅葉のように赤褐色になった木々が点在しているのが目に付く。
「ナラ枯れ」は体長約5ミリの昆虫「カシノナガキクイムシ」(カシナガ)が樹木に穴を開け、ナラ類、シイ・カシ類を枯らす病原菌「ナラ菌」を持ち込むことで発生する。木に入った雄がフェロモンで雌や仲間を呼び寄せ多数の成虫が入り込むことで、ナラ菌が蔓延し木が枯死する。被害を受けた木は紅葉前の7〜9月に葉が赤く変色して枯れる。

カシナガは、直径10センチ以下の木では繁殖しにくく、太く育った大木を好む。熱海市では昭和初期まで炭焼きが盛んで、ナラ類は炭や薪、シイタケの原木としてこまめに伐採、利用されたが、燃料革命や木材価格の低下で放置される森林が増え、大木が残ったままになっていることが被害の背景にある。
国道135号や県道に近い場所などでは倒木の危険があり、万緑の山が赤茶色に覆われるのは、景観破壊にも繋がる。関係者は急な倒木などに注意を呼び掛けている。被害を食い止めようと全国でさまざまな対策が講じられているが、拡大は早く、有効な手立てがないのが現状という。
(熱海ネット新聞)

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